スポーツ障害の治療について

2010年12月12日 | 治療の話
その昔、フィットネスクラブのインストラクターをしていた頃、

Tさんという布袋さんのように大きなお腹をしたお父さんがいました。

Tさんは糖尿病のためお医者様から

「痩せなさい!」

といわれ、いつもつまらなそうにエアロバイクをこいでいました。

私はいつも「頑張ってなすね!調子はいかがですか?」

と声をかけます。

Tさんは「あと30キロ痩せなきゃいけないんだってよぅ…」「ぜんぜんやせねんだよぅ…」

と恨めしげにバイクをこぎます。

私は「今日のお昼は何ですか?」と、答えの決まった質問を投げかけます。

Tさんは「豚カツ定食!」と元気一杯に応えてくれます。

「でも、1人前だけなんだよぅ…

 俺は腹いっぱい豚カツ食がべたいんだよ…」

と再び恨めしげな面持ちのTさん。

私は二の句を告げず、いつも苦笑い。

『それじゃ痩せれんゎ…』

そう心の中でつぶやいていました。

でも、いまならもう少し違った言葉がかけられるかもしれません。

『Tさん、旨い豚カツを腹いっぱい食べるために、休・豚カツ定食デーを作りましょうよ!』

とか。

『Tさん、いつもの豚カツより10倍旨い豚カツ食べてみませんか?

空腹は最大の調味料です!3日間豚カツ断ちしましょう!』

とか。

いってみれば、先ずその食生活を変えなければ、

どんなに頑張ってバイクをこいでも30キロの減量は難しいでしょう。

食べたいものを(おそらくはほぼ食べたいだけ)食べている現状を変えなければ

糖尿病への治療効果も望みは薄いでしょう。

でも、

だからって「食べちゃダメ!」っていわれると

とたんに食べたくなるのも人情です。

糖尿病道を突き進んでしまうTさんに、「豚カツはダメだ」といえばいうほど、

結果は望まない方向へと進んでいってしまう。

少しでもプラスの結果を手にするために

『いつか安心してとんかつを食べられるようになるために、

いま、ほんの少しだけ我慢してみましょうよ』と、

前向きな言葉掛けができれば、

あるいはTさんの「豚カツ」依存症は落ち着いたかもしれません。

そして、いつの日にかスッキリしたお腹で、血糖値の心配無しに

美味しく豚カツを食べることができたかもしれません…

ずっと永遠に続く苦痛は誰でも望みません。

でも、その先に希望を見出すことができるのならば

辛い運動も受け入れることができるのではないでしょうか。



この話を、スポーツ障害に置き換えて考えてみてください。


なんて、思わせぶりに書きつつ

続きはまた後日。

「風邪の対処法 その2」

忘れてませんからね(汗)

近日(←スケジュール的に自信ありませんが…)公開いたします!(←といってしまったことに後悔してたりして…)

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