この記事は、4月22日に書かれましたが、
誤植および説明に不十分な点があったので、4月23・24日に改変しています。
22日にご覧になった方、どうかご容赦ください。
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図版引用:トラベル&サイモンズ トリガーポイントフリップチャート
上の図は、外側広筋という筋肉にできた
トリガーポイントという故障で出現する痛みの地図です。
トリガーポイントによる痛みは問題部位から離れた場所にまで広がり(場合によっては離れた場所に飛び)
鈍く痺れるように痛むのが特徴です。
外側広筋は腿の骨(ダイタイコツ)から膝のお皿を通じて脛に付く筋肉ですので
膝を伸ばす働きを持ちますが、若干脛を外に回す(外旋)働きも持っている筋肉です。
そこを踏まえて…
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しゃがんで庭の草を刈っていて膝が痛くなったとご来院のAさん(50代女性)。
しゃがむ動作と立ち際で、膝の外側の若干裏あたりが痛むといいます。
なんだか関節の奥から来る痛みのようだと不安顔。
そこで、関節の中に問題があるのかないのか調べることに。
具体的には、膝関節内の傷から染み出た「水」が貯まっていないのか?
関節として向き合う骨同士=脛骨と大腿骨の骨面に傷があって痛いのか?
を調べるんです。
結果は陰性、関節内は一先ず大丈夫な様子です。
ついでに靭帯はしっかりしているのか?とチェック。
これはちょっと緩め…
でも、ま、靭帯を引っ張っても痛がらない。
なので、靭帯が痛みの原因ではないようです。
そうなると痛みの原因は筋肉(筋膜)の問題か?(神経痛というのもありますが…)となるわけです。
さて、どう調べましょう?
通常筋肉は傷めば縮みます。
なので関節を大きく動かし筋肉がストレッチされたことで痛みが出るのか?
また、筋肉に力が込めた時に痛みが出るのか?
を調べます。
もろもろ調べたところ、
Aさんの膝は上の図外側広筋のTrp2、腸脛靭帯の下に故障(部分的な線維化※)を持っていることがわかりました。
このことから、Aさんの膝の痛みの犯人は「トリガーポイント」である可能性が俄然高まってきます。
※部分的な線維化はあるのですが、周囲の筋(筋膜)が延長することで膝関節全体の可動域はほぼノーマルでした。
こうしたケースだと、筋肉(筋膜)の問題はない…と騙されてしまうことがあるので注意が必要です。
この場合、強い筋力発揮の際に患部のトリガーポイントが発火して痛みを出します。
また、疼痛のためかⅠb抑制が生じるのか、その双方か判りませんが、膝折れが生じることもあります。
Aさんの膝の痛む場所は、上の図のTrp2の部分に加え、下の図、腓腹筋のTrp4の辺りまでのようです。
探ると腓腹筋のTrp4にもしこり(線維化を伴う敏感なポイント)がある。
恐らくはこれもトリガーポイントでしょう。
図版引用:トラベル&サイモンズ トリガーポイントフリップチャート
腓腹筋は主に足首を倒す(つま先立ちになる)作用を持つ筋肉です。
故障している部分は腓腹筋の外側頭といいまして、
短くなるとすねの骨(脛骨)の外旋を邪魔します。
膝は深く曲げると脛が内に回りながら折りたたまれる構造を持っているので、
すねの骨が内に回らないと膝を曲げきるには無理がかかることになります。
どんな感じになるのかと申しますと、膝に何かが挟まったような違和感を作ります。
そして、上述したように外側広筋は腿の骨(ダイタイコツ)から膝のお皿を通じて脛に付く筋肉ですので
膝を伸ばす働きを持ちつつ、若干脛を外に回す(外旋)働きも持っている。
なるほど、Aさんの「関節の故障のような気がする」根拠が見えてきました。
っていいながら、実はこの挟まったような抵抗感は大腿二頭筋の短縮で出やすい症状なんですよね(^^;)
「挟まったような違和感」のでる仕組みとAさんの膝の状況から推察して、
『外側広筋と腓腹筋の外側頭の共収縮でも同じ症状は出るんだなぁ※』
と気付いた…ということなんです。
※外側広筋は脛骨外旋と膝伸展の作用、腓腹筋外側頭は脛骨外旋の制限と膝屈曲の作用。
双方が緊張すれば、脛の動きは伸ばすにも曲げるにも、どちらにも制限が生じてしまうでしょう。
また、それぞれの筋肉(筋膜)に痛みの原因があるわけですので、
伸ばすにも曲げるにも、どちらにも痛みが伴うのでしょう。
僕ら治療家は、こうして臨床から教えていただき育てていただいてるんですね、うん。(-_-)
さて、
ここまでの調べで痛みの原因は外側広筋と腓腹筋のトリガーポイントのようだ
というところまで漕ぎつけました。
あとは治療を施し確認作業です。
幸いAさんのお膝の痛みは軽い違和感を残すのみにまで回復されました。
あとは簡単なトリガーポイントへの対処法と
膝の働きを正す運動※をお伝えしてこの日の治療は終了です。
きちんと体操ができていたら、じきに膝は治るでしょう。
Aさん、頑張ってくださいね(^ ^)
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