錦織選手、左の脇腹っていうけれど…

2016年07月05日 | スポーツ障害

錦織選手のマリン・チリッチとの試合、残念でしたね…

でも、リタイアするのはもう少し早くてよかった気がします。

ケガで棄権っていうのはそうとう悔しかったんでしょうね。

 

しかし、錦織選手はケガが続いていますね。

左わき腹の痛みが…とか言っていましたが、

左脇はおそらく二次的な故障だと思います。

左脇だけ見ていては治らないでしょう。

いったん落ち着いてもすぐにぶり返してしまう可能性は高いでしょうね。(´・ω・`)

錦織選手の場合、しっかり診なくてはいけないのは右の股関節です。

なぜそう思ったか、

思い出せる範囲で書いてみます。

映像から、彼の右の股関節は内転と屈曲方向の易可動性(そちらへと動きやすくなっているということ)が顕著です。

右足首にも固定が施しているあたり、足首の内反動揺も気になるレベルなのでしょうね。

股関節の伸展制限の出どころは足首かもしれません。

足首が反らないと膝をそらして腰が引けた姿勢になるんです。

そうした姿勢では四頭筋の過緊張も出やすい。

四頭筋の中でも大腿直筋は骨盤に足を延ばすので、固くなると股関節を後ろに伸ばしづらくなるんです。

見た感じでも、足首の伸展制限からは大腿直筋への緊張亢進が起こっていそうです。

でも、踏み込んだ際にさほど膝折れ(膝がカクッと抜けること)がみられないところを見ると直筋の問題はまだよさそう。

気を付けてほしいのは右の足趾屈筋から内転筋の緊張亢進です。

これらは股関節の外転運動を邪魔してしまうし、それらの緊張が左の腹斜筋へとつながります。

映像からも左の季肋部へ向けてオーバーフローしているように見えます。

こうなるとカウンターバランスとして左の起立筋群、とりわけ回旋作用の強い腸肋筋への負荷が強まります。

腸肋筋の胸腰移行部レベルのトリガーポイントは脇腹にも痛みが広がります。

そういえば、昨年は腰を痛めていましたね。

その当時の腰痛が左だったら要注意です。

なんでか?

定着してしまった体癖(体の癖・歪み)のために、同じメカニズムで故障を繰り返している可能性を考えるからです。

おっと、脱線。

戻って左脇の痛み。

脇腹の痛みの直接的な原因は「腹斜筋」「腸肋筋」を疑っていますが、

これらはおそらく二次的な故障でしょう。

「腹斜筋」「腸肋筋」の故障が問題の本質ではないということです。

「痛み」ではなく「痛みの出る道筋」を見出す、ここが繰り返し生じてしまう故障への対処の勘所です。

なんで「腹斜筋」「腸肋筋」の故障が問題の本質ではないといえるのでしょうか?

それは、以下の条件が見て取れたからなんです。

映像を見る限り左半身の胸腹部いおける回旋運動の範囲は保たれているようです。

ま、痛みでか動きが遅れたり急に伸ばせなかったりはしていましたが、

フルレンジで左半身は回旋に沿って動いていました。

つまり、左の腹斜筋と腸肋筋(起立筋の一部)の長さは保たれてるということです。

しかし、腹斜筋と連結を持っている内転筋たちは右股関節の動き妨げています。

こういった場合、痛めた部位(左脇)は右股関節の動けない分を代償して大きく動いていることで傷ついたと考えます。

であるならば、股関節の機能を正常化しなければ(この場合は足趾屈筋と足関節含め右下肢と考えますが)痛めた部位は無茶な代償動作から解放されません。

すなわち、右股関節への介入なくして左脇腹の故障は治せないということになります。

もちろん安静にすれば炎症も時期に落ち着き痛みは癒えるでしょうが、

右股関節から左半身と取り巻く筋膜群と関節が正常な連動性を取り戻せなければ、

つまり同じ条件で動きつづければじきに同じ故障をしてしまうでしょう。

…。

って、そんなこと言っても何も手が出せないんですよね(*_*;

もどかしいです。

ともかく、

錦織選手が次回までに万全なコンディションを取り戻してくれることを祈りたいと思います。


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