運動療法としての「ウエイトトレーニング」=ストリクトムーブメントによる関節の動的安定性の獲得=

2016年07月19日 | 治療の話

今回は7/16の記事の補足として動画を作ってみました。

と、その前に前回の記事のおさらいをしましょう。

「ストリクト」な運動の治療的な意義~シェアリングという異常運動への対処~では

・関節機能障害が退行変性(関節の変形)に進展する背景に関節のシェアリング(ズレ運動)がある。
・関節に生じた疼痛への対処として、即時的効果ではなく長期的な効果を見据えた場合、障害関節の骨運動に際して生じてしまうシェアリングを抑止し関節回転中心を動的に安定させるための方策が必須である。

・具体的な手法として「ストリクト」に行われるリフティング動作があげられる。

といったことをお話ししました。

記事では「パワーリフティング」の競技種目:デッドリフト/バックスクワット/ベンチプレスを例に挙げました。

でも、「関節のシェアリングを起こさないようにコントロールする」というルールにのっとっていればどんな動作でも大丈夫です。

ただし、その良し悪しの判断が一般的には難しいので、「その道のプロの手を借りるようにね!」といった落ちを付けたわけです。

動画では肩関節の故障の回復期を想定した方法として、

ウエイトリフティングのスナッチを利用した方法を紹介してみました。

どの運動も「シェアリング」を止める目的で行うには、一連の動作を通じて関節のシェアリングが生じずにコントロールしきれる程度の軽い負荷(手ごたえを感じないほどの軽い負荷はNG)を選ぶことが条件です。

なんでデッドリフト/バックスクワット/ベンチプレスにしなかったのかというと、

私の持っている動画の中でストリクトにやっているケースととクイックな動作で行っているケースの対比ができるものが無かったというのもあるのですが、

肩関節から首の故障までをカバーするには紹介した動画が最適だったというところもあったからなんです。

例えば紹介した動画の動作による効果には「肩関節の動的安定性の向上」に加え「胸郭の伸展性の向上」が見込めます。
頚椎症などは胸(背中)が丸まって首だけにテコがかかり続けることで起こりますから、胸が開くという効果からは頚椎症のような首の故障の運動療法としても有効なんです。

こんな感じでウエイトリフティングやパワーリフティングといったウエイトを利用したトレーニングには治療に使えるエクササイズがいっぱいあります。

キチンとしたフォームを目指して積んでゆけば!の但し書きが付きますが、ウエイトトレーニングは

より故障から遠い生活を実現することができる素敵なメソッドなんだということを多くの方に知っていただきたいなと…

それには「きちんとした動き」と「間違った動き」を見極めてくれるコーチがいる環境であることが条件なので、

さぁ!いまから市営のトレーニング場へGO!!とは言えないのが歯痒いところではあります…(*_*;

ま、ともかく「ストリクト」のイメージが付いたらいいなと思い、動画を上げさせていただきました!(^◇^)

もしよろしければご覧になってみてください。


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