優勝させていただきました~第15回関東マスターズウエイトリフティング選手権大会~

2017年10月23日 | トレーニング日記

昨日10/22(日)は台風の迫るなか開催された、第15回関東マスターズウエイトリフティング選手権大会に出場してきました。

場所は埼玉県スポーツ総合センター(上尾市)で、大学生の試合もよく行われる大きな会場です。

マスターズとして出場できるのは35歳以上。

5歳区切りで分かれ、さらに体重別に分かれて試合をします。

私の出場するカテゴリーはM40=40歳以上の部で、階級は69kg級となります。

ご存知の方も多いと思いますが、

ウエイトリフティングはバーベルを床から頭上に一気に引き上げる「スナッチ」という種目と

いったん胸まで引き上げてさらに頭上に差し上げる「クリーン&ジャーク」という

二種目の総合重量で競う競技です。

各3回ずつ、合計6回の試技を行います。

私の階級で優勝するにはスナッチとジャークを合わせて150~160kgあたりが目安となります。

これは全日本大会でも同様です。

私の練習のベストがスナッチ70kgのジャーク90kgなのでそれが試合で出れば優勝が見えてくるわけですが、

1日でスナッチとジャーク双方の練習のベストというのはなかなか出ないというのが現実のようです。

今までの試合の最高記録は153kg(S68/C&J85)。

という前置きをご了承いただいて…

「優勝」とはいえこの日は同じ階級2名の出場で、どんなに低いスコアでも失格しなければ銀メダル、といった状況でした。

そうなると俄然「優勝」に惹かれるのが人情というものです。

でも、対戦するO選手は春の試合で70kg/90kgを取られていて、私は負けてしまっているんですよね。

きっとその当時よりももっと挙げられるようになっているでしょうから、

今の私が勝てる見込みは低いと考えざるを得ず…

しかし、私のように当日スコアを崩すこともよくあることですから、

相手を気にすることなく自分のベストに専念していけばあるいは勝てるかもしれません。

試合は水物、何があるかわからないのはどの競技も一緒です。

しかもこの日はジュニア育成事業に携わるT先生が私のセコンド(指揮官)についてくださるというVIP待遇。

この日の試合は全てをセコンドにゆだね、挙げることに専念いたしました。

前半のスナッチでは、O選手60kgスタート、私61kgスタートです。

O選手は60kg→65kgを淡々と成功させます。

対して私は61kgを成功しましたが二本目の66kgで失敗…

三本目に66kgを取るも、O選手が3本目の71kgをビシッと決めて5kgのリードを許します。

内心、折角セコンドについていただいたのに筋書き通りに挙げられず申し訳ない気持ちでいっぱいです。

しかし、T先生は意に介さずといった感じ。

むしろ『面白くなってきたねぇ~』とでも言わんばかりの表情です。

T先生の読みが当たったのか、後半戦のクリーン&ジャークで波乱が起きました。

O選手は80kgと85kgを軽々と成功。

対する私は81kgと86kgを息も絶え絶えになんとか成功。

波乱はO選手の3本目に起こります。

T先生の指示のもと、待機する私は頭からジャージをかぶって周囲を絶ち、自分の試技へ向けて集中します。

相手は見るなということのようです。

でも、ガンガンに音が聞こえてくるんですよね…

O選手が舞台に上がる。

静寂が訪れ、クリーンで成功したときの靴音が「タンッ!」と響きます。

後はジャークで刺すだけです。

「タンッ!!」

鋭い靴音が響きます。

失敗だとすぐにブザーが鳴るのですが、少し間をおいてのブザーです。

これは成功の証です。

『ああ、Oさん、成功だな。強いなァ~(>_<)』

とあきらめにも似た感情が胸を満たします。

しかし、次の瞬間、意外なアナウンスが響きます。

「失敗です。」

O選手、90kgを差し切れなかったようです。

私の挑戦する重量は91kg

成功すれば逆転勝利です。

降って湧いたチャンスですが、T先生は『ほら言った通りになっただろ!?』とでも言いたげな顔をしています。

そして

「さぁ行こう!! さっきと一緒! おんなじフォーム!! 自信もって!!!」

と送り出されます。

 

名前を呼ばれ、プラットフォームに上がるまでのほんの数メートル。

いろんなシーンが浮かびました。

去年の全日本のこと、O選手に負けた試合のこと、今年の全日本での不甲斐ない結果、

いつも丁寧に親身になって指導してくれるクロスフィット代々木のコーチ陣の掛け声、

以前お世話になったパワーリフティングのコーチの言葉、

不調を試合当日にはね返して見せた8月の息子の活躍、

今日、一緒に出場した嫁の頑張り(彼女も午前中の試技で自己ベストを更新しました)、

いろんなシーンが脳裏を交錯します。

自信も余裕もありませんでしたが、冷静に試技へと移ることができたのは、

そうした多くの方々と過ごした濃密な時間のおかげだったのではないかと感じます。

そうして、91kgのバーベルの前に立ち、自己ベスト更新への挑戦の瞬間を迎えました。

シャフトを握り、

脚を決め、

呼吸をはかり、

行くぞ!と腹が決まる瞬間を迎えます。

クリーンも重かった。

でも、何とか立った!

ジャークも思い切り突いた!

しかし、あろうことか両肘が決めきれず。

ジャークでは本来一気に肘を伸ばさなければ失敗となるんです。

マスターズではその辺の判断が学生や成年の選手に対するそれよりもマイルドになる傾向がありますが…(基本マスターズは社会人愛好家の大会なので…)

藁にもすがる思いとはこのことかもしれません。

ゆっくりブザーが鳴ります。

主審の「ダウン!」の掛け声がかかり、バーベルをおろします。

『あ~プレスアウトかぁ~(肘が曲がることによる失敗)(>_<)!』

と電光掲示板を振り返るとそこには白ランプ三つ…

そして「成功です。」のアナウンス。

自分が思っていたよりはプレスアウトしてはいなかった、ということだったのでしょう。

この瞬間、O選手に1kgの差をつけて私の優勝が決まりました。

後で嫁さんに聞いたところ、O選手は90kgの挑戦で片肘が曲がってしまっての失敗だったのだそうです。

今回は優勝という結果をいただきましたが、次はもっと確実な試合ができるよう、また気を引き締めて頑張ってゆこうと思います。

以上、試合報告でした!


おすすめ動画