あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

大失敗

2007-09-29 22:09:10 | レザークラフト

 もう、なんとも情けない話です。7割方完成に近づいた40号の作品、デュルビュイ。ろうけつ染めという手法で染めています。それを、ちょっとしたミスで、台無しにしてしまいました。


 ろうけつ染めというのは、ろうが水をはじく性質を利用して、模様を描く、染めの手法です。布のろうけつ染めは、日本ののれんや着物、インドネシアのバティックなど、よく目にすることがありますが、革のろうけつ染めは見たことがない人も多いかと思います。そのやりかたは・・・・ 


 1 トレーシングペーパーに下図を書く。


 2 湿らせた革の上にペーパーを置き、鉄筆などで下図をなぞって革に写していく。


 3 薄い色から染めていく。


 4 一番目の色を残したい部分にろうを塗る。


 5 次に濃い色の染料を染める。一番目の色はろうに守られてそのままの色が残る。


 6 2番目の色を残したい部分にろうを塗る。


 7 さらに濃い色で染める。


 何度もこの行程を繰り返し、次第に濃く染めていく。


 最後にろうをはがす。さらに完全にろうを落とすために、革を水洗いする。


 簡単に言うとこうなります。


 おとといのこと、わたしがろうを落としているかたわらで、師匠が、他の人に説明をしていました。
「ろうは完全に落とさないと、溶けて革にしみこんでしまうんですよ。そうするとその部分だけ黒くなって、(よごれが)とれなくなっちゃうんです。」


 そうなんです。だからかなり神経を使ってろうを落とすのです。ろうを落とす瞬間は、今までヴェールにかくれていた作品が本当の姿を現す瞬間ですから、一番楽しみな行程でもあります。


 「ああ、なかなかうまくいったじゃないですか。」「そうですね。じゃあ家で洗ってきます。」


 そして車に積み込み、途中で買い物をし、(これがまちがいのもとでした)
帰って作品をひろげてみたら・・・・・・


  ろうが溶けてる!


 写真の茶色く汚れたようになっているのが溶けたろうです。
 
 石壁の、紫がかったブルーグレーの幻想的な色も


 


 ほんのりと牡丹色がかった明かりの色も



 みんな茶色に汚れて・・・・


 布染めのSさんが、車で2時間かけて教室に通っているのですが、去年の夏、やはり車内の高温でろうが溶けたとか。その話を知っていながらー。つい先ほども師匠のことばを、そうそうなんて頷きながら聞いていながらー。 
 大急ぎで水洗いしました。晩ご飯も食べず1時間洗い続けました。細かいろうが垢が落ちるようにボロボロとれて、これは何とか助かったかな?と期待したのですが、乾くとやっぱり汚い。おまけに洗いすぎて大切な空にしわが寄るしー。


 あきらめました。やりなおします。(きっぱり!)


 今日新しい革を買って、下絵を写しました。これだけで3時間。締め切りまで20日足らず。がんばらねば。
 


 

コメント (6)
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