我が家の畑地は広いのですけれど、何も植えてないので草ぼうぼうです。実家の母は、「無職なんだから野菜ぐらい自分で作りなさい。」と言うし、お友達は、「種から育てるのは楽しいよ」と言うし、わたしも花ばかり植えずに野菜を植えてみようかな、という気になりました。
根の出たエンサイの茎がたくさんできるので、まずエンサイを育てるところを作りました。たたみ3分の2畳くらいの小さな小さな菜園です。 草を引くのにえらく苦労しました。
場所は違うけれど、引いた草はこんな感じ。
次に、へちまのところから一輪車で堆肥を運び、混ぜ込みました。石ころだらけの土地で、これも一苦労。 周囲から10センチばかり土を盛り上げて、完成。 一人前に油かすなどをまいております。
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写真で見るとまるで子どもの遊び事みたいですねえ。
わたしが小学校6年生ぐらいだったでしょうか、父が、わたしと弟にたたみ1畳くらいの土地をくれました。なんでも好きなものをつくれと。 二人で真半分に分けました。記憶が定かではないのですが、わたしは、ほぼ正方形のその土地に対角線を引き、何種類かの花を植えたと思います。真ん中に、どうしても欲しかった「ひめゆり」を園芸店の通信販売で取り寄せてもらって植えました。
弟は、わたしとは違って、にんじんなど野菜の種ばかりを何種類か蒔いていました。そしてなぜか天然の山芋も。
当然のことながら、子どもたちはすぐに畑遊びに飽き、そこは、錦鯉の泳ぐ池のそばの築山になってしまいました。でも、わたしのひめゆりはその築山で何年か咲き続けました。あざやかな朱赤の小さな花は、緑の中でひときわ目立ちました。やがてひめゆりは消滅してしまいましたが、弟の山芋はひめゆりよりも長く、わたしたちが大人になってからも生き続け、秋にはたくさんの「むかご」をつけました。
それも今は駐車場になって、消えてしまいましたが。
父は何を思って二人に土地をくれたのでしょうか。今の父に尋ねても明確な答えは返ってこないと思います。いつか同僚にその話をしたら、すごい父親だと言われました。
そんなぁー。 ごく普通の人ですよー。「教育」という視点で見ればそうかもしれませんが、単なる気まぐれだったのは?
父の思惑がどうであれ、子どもが自分の土地を持つという体験は、わたしたちに多くのものを与えてくれました。
「土地」という他の子が持っていないものをプレゼントされた喜び。
一人前に一つのことを任された喜び。
誰にも指図されることなく自分で計画を立て実行する喜び。
作物を育て成長を見守る喜び・・・
子どもの成長に決定的な影響を与えるほどではないけれど、今のわたしのどこかを形作っている、忘れることのできない思い出です。
もう大人なんだから、飽きずに作り続けねば。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
<おまけ>
菜園のそばで見つけました。1日中日の当たる場所です。日なたが好きなきのこもあるんですね。 同じものを、刈り込んだ草の中にもあるのを見つけましたが、ここも日の当たる場所でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/03/28b589cbb208305720ccca44da587d45.jpg)
これはまだかさの開いてないもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/a5/e2690b7960d58b09e95fc164ec171871.jpg)
真っ白でとてもきれいなきのこです。