あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

秋のごちそう

2007-09-25 21:20:22 | くらし

 愛媛で秋のごちそうといえば「いもたき」。 家族や地域、職場などの親しいグループが、河原などの屋外で、 里芋といろいろな野菜を鶏肉などのだし汁で煮た鍋を囲んで、観月をしながら親睦を深めるものです。 もともとは南予で始まったらしいのですが、今では愛媛県下、河原のあるところではどこでも業者によるいもたきが行われています。 河原に提灯をつけ、ござを敷いて、ガスが用意されていますので、お金を払ってだしと材料を買い、自分たちで煮て宴会するのです。もちろん家庭でもよく作ります。


 地域によって特徴があるようです。南予の方ではだしに川がに(もくずがに)を入れるとか。テレビで見ましたがおいしそう~。 
 実家の方の河原では、観月祭に花火大会が行われます。いもたきをしながら見る花火は、頭上に、星が降るように火花が落ちてきて迫力満点。
 こちらのほうでは、橋の下に席があって、雨が降ってもできるというのが売りです。ところが、雨の日にいもたきをして、車を河原において帰ったら(もちろん飲酒運転をしないため)、一夜のうちに増水して車が水につかってしまい、動かなくなったなんて気の毒なこともあるみたい。


 先日ちょっとおもしろい話を聞きました。某ホテルでいもたきのバイキングが行われているというのです。 以下、伊予弁の会話をお楽しみください。


 K(友だち): ○○ホテルでいもたきのバイキングをしたんじゃけどね、テーブルの上に、ガスと、だしの入った土鍋がおいてあるだけなんよ。最初の一鍋ぐらいは炊いといてほしかった。


 A(あた子): なに? いもたきの材料がバイキングなん?


 K: ほうなんよ。自分で好きな材料取りにいくんよ。


 A: 芋が食べたかったら芋を取ってきて炊くん?


 K: ほうほう、さいさい(たびたび)取りに行くけんねえ、けっこういそがしかったわい。


 A: なべの材料がバイキングなんて意味あるん? そんなことせんでも材料を適当にお皿に盛っといて好きなんを炊いて食べたらええだけじゃろ?


 K: ほうなんじゃけどね・・・


 A: それにしてもホテルでいもたきねえ。
 
 K: もちろん他の食べ物もバイキングであるんじゃけどね。からあげとか、おすしとか・・・ 


 野趣あふれるこの料理が、おしゃれなシティホテルでねえ。と、まあ、このくらい愛媛ではいもたきが盛んなのです。


 というわけで今夜はいもたき。里芋、こんにゃく、ごぼう、にんじん、かまぼこ、豚肉(わたしは鶏肉がきらいなので)、松山揚げ、こんぶなどを使いました。もやしや椎茸その他のきのこなども使えます。どうしてもこれを入れなければならないというきまりはなく、冷蔵庫にあるもので作れるのでけっこう便利です。


   


 そしてごはんは、くりごはん。生のキクラゲをきざんで入れました。



 ところで伊予弁て、変換するととんでもない漢字がでてきます。手間取りましたー。

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日本現代工芸美術展

2007-09-25 00:22:50 | くらし

  今、日本現代工芸美術展の地方展が、松山市の三浦美術館で開かれています。愛媛県で開催されるのは25年ぶりだとか。この美術展に、私の師匠と、先輩の作品が展示されているので、見に行きました。


 門を入って真っ正面に、紫色のタイルに貼られた巨大なポスター。オレンジのグラデーションが鮮やかです。前回 別の展示会でここを訪れたときも、ここに貼られたポスターが印象的でした。 ああ、この紫に合うように計算してポスターを作るのか、と納得しました。



 三浦美術館は、ボイラーで有名な三浦工業の創始者、故三浦保氏を記念して建てられたもので、氏の作品や所蔵品が展示されています。なんでも、会社経営の傍ら、茶器を作り、茶会を開き、能を舞い、ミウラート(MIURART=三浦アート)とよばれるすぐれた陶板作品を残したのだとか。


 すごい人です。 二足も三足もわらじを履いてどれもすばらしい功績を残している・・・ 三浦工業は今や東証1部上場企業です。島田紳助が「おいらはボイラー・・・」ってコマーシャルをしているあの会社です。


 2階から野外ステージを望む。周囲に立っているのは三浦保氏の陶板画作品。


    


 建物の屋根の上に、伊予の青石で作られた石庭があったりして。


  


 小さいけれど、訪れた人がほっとする空間が随所にあります。


 さて、現代工芸美術展では、陶磁器、金属作品、染織物、人形、漆、革工芸などの、手仕事を美術品として制作した物が展示されています。四国ならではの作品としては、愛媛の砥部焼、徳島の藍染め、香川の漆、高知の珊瑚細工など。どれも気の遠くなるような細かい作業を繰り返して作られた、すばらしい作品がならんでおりました。


 私なんぞはまだまだ~


 さて、お目当ての作品はこれです。
 初出品、初入選という快挙を遂げた布ろうけつ染め。ポスターにも写真が載っています。


  


  多彩なブルーと、ほんのりとピンクがかった花びらが何とも言えず美しいのですが、残念、スキャナーではそこまで表現できません。 完成までに半年かかったという作品。 私は革の染色ですからめったに教室でお会いできないのですが、たまにレッスンが一緒になったりすると、その真摯な作品作りにとても良い刺激を受けます。


 師匠の作品は、残念ながら撮影不可ということで画像がありません。こちらはピンクを基調とした布ろうけつ染め。それぞれの人が持っている天命ー人によってそれは子育てであるかもしれないけれどーが美しく花開きますようにとの願いを込めて作られたとか。これもとても美しい作品です。


 愛媛の皆さん、ぜひ三浦美術館へ。会期は10月5日(金)までですよー。


 ところで、意外なところに三浦美術館のファンがいました。なんと、行きつけの美容院のスタッフが美容院のお便りにコラムを。「感動を覚えました。敷地全体が・・・・」だそうです。


 わたしも三浦工業という会社自体が好きなんです。なぜならば


 東京ではなく松山に本社があるからです!

コメント (2)
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