笹倉湿原へ行きたいーそんな思いから山歩きを始めたババ友3人。思いの外早くに実現することになりました。それは、ひょんなことから、アウトドア&カフェのお店「クロスポイント」のオーナーが、ガイドもしてくれるということを知ったからです。オーナーのイッペイさんには娘、息子たちもお世話になっており、わたしたちも全く知らない間柄でもなかったので(まさに灯台もと暗し)話はトントン拍子に進みました。
3人の新型コロナ予防接種日程がバラバラだったので、接種1週間前、接種後2週間を避けると3人が揃う日がありません。何とか出発日を決めましたが、出発まで一月もない・・・・装備の準備はともかく、体力作りが間に合うか? さらに思わぬ伏兵がいたのです。それは予防接種その物でした。副反応のため寝込んだり、倦怠感にしばらく運動しなかったりーその結果、思っていた以上に体力が落ちてしまい、三人ともが一抹の不安を感じながら出発日を迎えたのでした。
朝5時40分我が家を出発、霧深いUFOラインを越え石鎚スカイラインを下って8時30分ころに登り口に着きました。
登り口からしばらくは緩やかな坂道が続きます。今まで登ったところは、最初がかなりきつい階段だったりして、序盤で早くも息切れというパターンが多かったのですが、この坂道はありがたかったです。ゆっくりとウォーミングアップしている感じ。イッペイさんによると、最初のペースが大事で、はじめっから速いペースで登ると体力を消耗するんだとか。
体力的にも私が1番迷惑をかけると思ったので、写真を撮るのは最小限にしてひたすら歩こうと思っていたのですが・・・・
結局私が1番後からとぼとぼとついていって、みんなを待たせることになってしまいました。だって、この木々の美しさー作品作りの資料になると思えば、ついつい立ち止まって写真を撮ってしまいます。
以下,写真は文章に合わせて順不同で掲載しています。
道は、これぞ「ザ・山道」といった道。
道しるべはたった1箇所です。あとは獣道みたいな道をひたすら歩きました。
苔むした岩場を歩くときは、なるべく苔にダメージを与えないように、バランスを崩さないように、どこに足を置くか選びながら登りるのが一苦労でした。
苔むした岩の上に
一瞬お地蔵様かと思いました。
積まれた石までもがすでに苔むして、何となく手を合わせたくなる雰囲気でした。どうぞ元気で行って帰れますように、と手を合わせて通りました。
さらに立木の間は根っこが入り組んで階段のようになっているところをバランスを崩さないように登りました。
以前横峰さんに登ったとき、「階段よりも斜面がいい」なんて文句を言いましたが・・・ 贅沢な愚痴でしたね。
ただこういう山道は、若いときには何回か登ったことがあります。堂が森とか塩塚高原への山道とか。子どもたちを励まし励ましの登山で、今よりもずっとしんどかったのです。その経験がなかったら、この歳になって登山をしようなんて気にはならなかったかも。ただし、歳をとった分装備の力を借りています。ちゃんとした登山靴(昔はスニーカーでした)をはいて、ザックの背負い方、ストックの使い方・・・イッペイさんにいろいろ教えて頂きました。
肌がつるつるの赤い木。サルスベリどころではないつややかな木で、コンクリートみたいに固い。ヒメシャラだそうです。高度が高い場所ではまだ花が残っており、道にもたくさん落ちていました。
登り口から程なくしてたどり着いた堰堤は
ほんのちょっとしかありません。笹倉の苔は大丈夫か? 夏休みに入ってから一度も雨が降ったことがなかったのです。
いくつかあった沢も水がちょっとで、足を濡らすこともなく渡りました。
わずかに流れる水に手をつけるとびっくりするほど冷たかったです。
わさびが自生していました。
まっすぐにそそり立つ大木も美しいです。わたしたちほんとうにラッキーなことに、山登りする日はいつもいつもこんな青空です。この日下界では猛暑日だったとか。けれど木立の中は爽やかで、思ったより快適でした。
たくさんの苔むした倒木の横を通りました。
ふかふかの苔をベッドにして新しい植物がたくさん芽生えています。
朽ち果てた体から次の世代の木を育てるナースログ
小さなもみの木が育っていました。
有名なセクハラの木。しがみついているのは絞め殺しの木と呼ばれるもの。 まっすぐな木の方はすでに枯れています。
キノコはいつ見てもテンション上がります。多分サルノコシカケの仲間だと思うけど。
顔の高さくらいある笹の中も進みました。トラオがしんどかったと言うはずだわ。子どもにとって顔まで生い茂る笹を分けて進むのは大変だったことでしょう。さすがにここでは写真は撮れませんでした。
余談ですが・・・帰り道でイッペイさんに言われて気がついたのですが、均等に虫食いのある笹の葉
こんなのがいっぱいあるんですよ。
なぜだと思います? わたしたちなかなか答えを見つけられなかったのですが
虫が先端の巻いた葉に穴をあけ、その葉が開くと穴が等間隔に空いているという訳でした。
笹原を過ぎて
「もうすぐですよ。」
イッペイさんの声に励まされてなおもいくと、すこし空が開けてきました。ああ、竜神平に着く前もこんな感じだったなと思っていたら
「もう見えてますよ。」
あらあら、いつの間にか着いたみたいです。予定より1時間遅れの到着でした。