アジアン ユース オーケストラ
2007年10月27日(金)
この8月23日(木)、広島国際会議場フェニックスホールに、リチャード・パンチャス指揮アジアン・ユース・オーケストラを、妻と一緒に聴きに行った。
曲目は、デュカス:魔法使いの弟子、ムソルグスキー:展覧会の絵、リムスキー・コルサコフ:シェエラザード。描写音楽に統一したのだろう。
オーケストラの団員は、毎年10~20歳代のアジアの演奏家からオーディションで選ばれる。そして、約3か月の練習の後、アジア各国を友好演奏旅行に出かけるというものだ。
若い力が漲っているオーケストラだ。
展覧会の絵は、たっぷりとした音量を聞かせる演奏で、37分かけてのスローテンポ。多くは35分以内だと思う。
ところが、上には上があるもので、1980年4月にセルジュ・チェリビダッケがロンドン交響楽団と来日したときの演奏は、濃い色彩感のあるものだったが、何と41分もかけていた。しかし、冗長感は全くなく、むしろ全曲にわたって緊迫感があふれており、この曲では私の最も好きな演奏になっている。
展覧会の絵は、もともとはピアノ曲であるが、管弦楽の魔術師といわれるラベルが編曲したもので、多彩な楽器で編成されるオーケストラの醍醐味も味わわせてくれる。
ちなみに、ピアノの名演は、リヒテルが1958年にブルガリアのソフィアで残したライブ録音につきると思っている。40年くらい前、音楽喫茶「ムシカ」でこのレコードを聴いたときの衝撃は忘れることができない。悪魔が乗り移って演奏しているとしか思えなかった。
今そのCDを聞きながらこの一文を書いているが、感情が昂ぶることは40年前と変わりない。
さて、当日の演奏会に戻って、アンコールが意表をつくものだった。最初のデュカスの最終一小節で、あっけなくも5秒。しかし、余韻はたっぷりと残った。
2007年8月23日、久しぶりにオーケストラの大音量を、妻と一緒に音浴した。
人生時計「16時52分」 チン