団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

黒塗り

2015-07-11 09:31:50 | 政治

黒塗り

2015年7月11日(土)

 7月10日、「戦争法案」審議の特別委員会のTV中継を見ていました。清聴するでもなく、聞き流すでもなく、その中間程度で。

 ・・で、私の耳がエッ!と感じたことがあります。共産党の穀田議員が、防衛省の内部資料「イラク復興支援活動行動史」を掲げて質問した時です。穀田氏は、「(この資料は)黒塗りされていない。」と言いました。実は、穀田氏の前に質問した民主党の辻本議員も同じように、この資料を掲げて質問したのですが、辻本氏が持っているものは黒塗りだらけだったのです。

 私は、どちらかというと、早とちりする方ではないのですが、すわ、内部告発によって、資料が流失したか!と思いました。ただ、それは私の早とちりだったようで、その後の穀田氏の話によると、この資料を請求したタイミングによって、黒塗りかそうでないかの違いがあるというのです。穀田氏は、委員長に対してこの経緯を委員会に明らかにするよう求めました。その「心」は、以前は黒塗りにしなかったものを、法案審議に都合が悪いので黒塗りにしたのであれば、法案審議の妨害になるということでしょう。時系列的に、黒塗りの方が後としたら、これは、誰が考えたって、法案審議に都合が悪いので隠したと思われても仕方ありません。

 

 情報公開法では、第5条で、「行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。」と規定されています。「次の各号に掲げる情報・・を除き」とありますので、一定の情報は不開示になるということです。

 ・・で、今回不開示(厳密には一部不開示ということです。)にしたと根拠と思われる号を探してみると、第3号に、「公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」というのがありました。この項目を「解釈」して、不開示にしたと思われますが、穀田氏がそれ以前に請求した時は不開示ではありませんので、その違いをどのように説明するのでしょうか?という大きな疑問が生じます。

 

 「戦争法案」は、憲法の解釈を変更することにより、正当化しようとしています。この論理を援用すれば、この不開示も第3号の解釈の変更ということになります。戦争法案では、その解釈を変更する理由として「我が国を取り巻く安全保障上の環境が変化」したとしています。それでは、不開示の解釈変更の理由は如何説明するつもりでしょうか?

 私には、国会の審議により、「戦争法案」が憲法違反だということがより明確になり、国民の圧倒的多数が反対するという、正にこの情勢の変化こそ、その理由ではないかと思います。国民に追い詰められて、自己に都合の悪い情報を隠すという、正義も道理もない行動は、負け犬が尻尾を丸めて逃げていく姿に重なります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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