聞いていない ではなく 「読んでいない」
2016年9月20日(火)
「聞いていない」とは、豊洲問題に関する石原珍太郎元東京都知事の言です。石原氏は、建物の下に盛り土をしていない問題で、一貫して「聞いていない」と主張しています。これは、責任を逃れるための悪あがきと思われます。仮に、本当に聞いていないとしても、石原氏に責任がない訳ではありません。組織・部下を管理監督する職務がありますので、その責任を逃れることはできません。石原氏がその認識を持っていたとしたら、「聞いていない」ではなく、「部下職員が暴走したことの責任を痛感する」というコメントになるハズです。しかし、この方は、全くこのような責任感はお持ちではありません。愚かなことをしたと東京都民は、嘆いていることと思います。
ところで、豊洲問題をウォッチしてきた、一級建築士の方が、盛り土契約書の写しを入手していることがTV報道されました。TV局のスタッフは、その金額を見て、「三ケタ億」と言いました。百億円台の契約ということですね。
自治体には、職務権限規程というのがあり、案件に応じて、誰が決済(決定)するかルールが定められています。
東京都の職務権限規程の具体は知りませんが、「三ケタ億」の契約の決裁(決定)者は、常識的に知事以外有り得ません。つまり、石原氏は、この決済種類にハンコを押している蓋然性が極めて高いということです。(石原氏は、都庁へ週2回程度しか登庁しなかったと言いますから、誰かが代決した可能性はあります。)契約書には、仕様書というのが添付されていて、先の一級建築士の方の指摘によると、盛り土しないことが書かれてあるという事です。バッターout!ですね。石原氏はそれを見て認識して、決定したということですから、今「犯人捜し」している「誰が決定したの」という”犯人”ということになります。
石原氏がどのように反応するかは、先の態度で類推できます。「そんなもの(仕様書)、いちいち読んでいないよ。役人がそのこと(盛り土しないこと)を説明しなかった。」。この石原氏の「読んでいない」という主張は、法治国家においては、通用しません。石原氏は、裁判所により、損害賠償を求められることになるでしょう。
豊洲への移転が停止になったことで、業者には多大な損害が発生しています。当然東京都がその損害賠償の責を負うことになります。・・で、一体そのようになった責任は誰にあるの?ということになる訳ですから、石原氏に責任があれば、東京都は石原氏に損害賠償金相当額を求償することになります。恐らく「三ケタ億」になるのではないでしょうか・・。