平和宣言 2017
2017年8月11日(金)
今年の核兵器禁止条約が採択された時の国連での、オーストリア代表の言葉です。
「核兵器が安全保障にとって有益なら、多くの国が核兵器を持てばより安全な世界になるということになる。全部の国が持てば、一番安全ということになる。」
余談ですが、合成の誤謬というやつでしょうか・・。
日本国政府は、アメリカの核の傘で日本の安全を守っているという認識を示しています。なら、上の論理によると、傘ではなく自身で持った方がより安全になるということになります。
私は、核抑止論は、一定の理はあると考えています。核を持つ国を攻撃することに一定の抑止はかかりますから。問題なのは、全ての国がそのように考え全ての国が核を持ったらどうなるか?ということです。→その帰結がどうなるか想像するまでもないでしょう。
核抑止論の考えを乗り越えて、核廃絶の道に進まなければならないのです、と思います。核兵器禁止条約はその一歩であると、確信しているのであります。
広島平和宣言です。次はその一部です。
「今年7月、国連では、核保有国の核の傘の下にある国々を除く122カ国の賛同を得て、核兵器禁止条約を採択し、核兵器廃絶に向かう明確な決意が示されました。こうした中、各国政府は、『核兵器のない世界」に向けた取り組みを更に前進させなければなりません。
特に日本政府には、『日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理念と目的を達成することを誓う』と明記している日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい。」
広島市長は、安倍晋三内閣総理大臣閣下に対して、「橋渡し役」を求めたのであります。
広島市長の問いかけに対して、無表情で聞いていた安倍氏ですが、次のように応えました。
「真に『核兵器のない世界』を実現するためには、核兵器保有国と非核兵器保有国双方の参画が必要です。我が国は、非核三原則を堅持し、双方に働きかけを行うことを通じて、国際社会を主導していく決意です。」
えっー!「核兵器保有国と非核兵器保有国双方に働きかけを行う」って、一体具体的に何?と思いました。核兵器禁止条約の会議に参加し、正に核兵器非保有国に働きかけを行うチャンスだったのではないの?日本国政府は、会議そのものにすら参加しませんでした。「働きかけ」を行うなんて、真っ赤なウソッパチであります。
長崎の平和宣言です。田上市長って、素晴らしですね。
「日本政府に訴えます。
核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。」
田上市長は、日本の核の傘に依存する政策を、安倍氏の目の前で批判したのであります。
これまた、無表情で聞いていた、安倍氏ですが、広島の時と同じ内容の「言葉」でした。このお方、批判されるとむきになって「反論」するのが常ではなかったでしょうか・・。この方に確たる核に対しての理念なんてあるの?と感じました。
私ゃ、唯一の被爆国として、核兵器の廃絶を世界の先頭に立って主導しなければならない立場にありながら、核兵器にしがみついている姿勢は、世界の嗤いものになっているのではないかと思いますです。
核兵器禁止条約に背を向ける安倍内閣 打倒!