広島交響楽団「平和の夕べ」コンサート
2018年2月13日(火)
2月12日、標記のコンサートへ行って参りました。
広島文化学園HBGホール。
ギドン・クレーメルを招いての演奏会です。ヴァイオリン協奏曲は当初ベートーヴェンでしたが、クレーメルがシューマンを弾きたいということで変更になりました。ベートーヴェンだから聴きたいと思った人は残念です。
マーラーが編曲したベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」ですが、弦楽合奏になると、厳しさというか緊迫感がなにか無くなるような感じになるんですね。演奏したクレメータ・パルティカのメンバーが下手という訳では決してないと思うのですが・・。演奏者が増えると多様な表現ができることにはなるのですが、私には、オリジナルを聴いた方がよほどかマシと思いました。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲2番ですが、大変失礼ならが、睡魔に襲われまして、あっ、カデンツァに入っているのか・・。(睡魔)あっ、まだカデンツァが続いているのか・・。などと、3,4度睡魔に襲われて、覚醒して聴きだしたのは最終楽章からでした。ベートーヴェンにしてはあまりダイナミックな曲ではありません。颯爽とした感じを受けました。終盤間際、一瞬テンポが遅くなり、あれっ、これ一体何?と感じたのですが、ここは、ピアノとオケが最後の盛り上げをするための、気息を整えようとしたのかと思いました。このスロウテンポが最後のプレストを際立たせる働きをすることも分かりました。
シューマンのヴァイオリン協奏曲ですが、初めて聴きました。FMで自然に流れているのを聴いたことはあるかも知れませんが、メロディは頭に残っていません。クレーメルのヴァイオリンはアマティです。音が際立って明瞭で多分遠くまで届く音と思います。クレーメルは現代音楽が得意なイメージがあります。この曲でも、現代風な弾き方が随分あったような気がします。ただ、曲そのものとしては、陳腐なものと思いました。ベートーヴェンを聴きたかったという思いが強いです。
圧巻は、アンコールでした。私がヴァイオリンに詳しければ、そのテクニックについて縦横に語ることができるのですが、全くの素人です。ただ、その素人でも分かるほどの至芸を魅せてくれました。私がコンサートを聴くのは、あと10年程度と思いますが、これまでもなかったし、今後もこれだけの至芸に会うことはないでしょう。
クレーメルは、私はCDを1枚持っているだけです。現代曲で、これも素晴らしいテクニックを披露してくれてます。
当日席売り場です。ガラガラというほどではありませんでしたが、随分と席が空いていました。偶然楽友に会い、その話になったのですが、楽友曰く「広島の文化度が分かる。」というきついお言葉がありました。
私が座った席からです。広響とクレメラータ・パルティカのコラボで、ベートーヴェンは一列が広響、2列目がクレメラータという風に交互に並び、シューマンではクレメラータ一列になりました。
先にも述べましたが、凄い曲でありました。