広島交響楽団第368回定期演奏会
2017年4月6日(木)
・2017年3月18日15:00~
・広島文化学園HBGホール
・モーツアルト ディヴェルティメントニ長調K136
・モーツアルト クラリネット協奏曲イ長調K622
・(アンコール)ダニエル・オッテンザマー レメンセンス(回想)
・R.シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」作品40
・クラリネット:ダニエル・オッテンザマー(ウィーン・フィル主席)
・秋山和慶:広島交響楽団
ディヴェルティメントは、秋山さんの高校時代からの恩師故斉藤秀雄氏との思い出の曲ということです。こんな穏やかな平和な時代がずっと続けば良いなぁということを想起させるような音楽でした。
正直な話、私ゃ、クラリネットとオーボエの違いが分かりませんでした。でも、このクラリネット協奏曲を聴いて分かりましたですよ。60歳以上の方でないと知らないと思いますが、「フランク永井は低音の魅力」の「低音」が特徴なんですね。ファゴット音域を出していました。曲もその特性を生かして、高域と低域を対比させ何度も繰返していました。クラリネットはその音色から明るいイメージになります。ここら辺りもオーボエと違うところですね。
演奏者作曲のアンコールが演奏されました。極ピアニッシモを一定のレヴェルで吹き続けるのです。恐らく再生装置で聴くと、ただ単に消え入るような音にしか聴こえないのではないかと思うのですが、シーンと静まり返ったホールで聴くとピンと張り詰めたような感じで息が詰まるような緊張感を覚えるのです。生演奏の醍醐味と思います。至芸に魅せられました。
英雄の生涯は、1997年(就任前)に秋山さんが広響で指揮をし、この日20年振りの再演になったものです。コントラバスが2本増強されて8本のオケは出だしから全力疾走のような感じを受けました。ホールの最後列辺りは「アルプス席」といいますが、私が今回座った席は、「波打ち際席」とも言える最前列の右端で、オケの音を波と例えると、その波が押し寄せるように感じるのです。コントラバスの弦のバシバシという音が臨場感あふれる大迫力で迫ってきました。ただし、前列右側に配置されたヴィオラが、マスキングされて可哀想なほど聴こえません。
R.シュトラウスは、音楽で表現できないことはない、という趣旨の言葉を残しているそうです。確かにアルプス交響曲はその情景が目に浮かぶようです。英雄の生涯はそれほど情景的ではありませんが、英雄(ホルン)とその伴侶(ソロヴァイオリン)の互いの真理描写がよく分かりました。この奥様は、話し好きというか、話し過ぎというか、随分饒舌な方でした。最後は、英雄とその奥様がこれまでの人生を振り返って満足した様子が描かれ壮大なフィナーレとなりました。
秋山さんの広響音楽監督としてファイナルマチネーは、7分35秒に及ぶ長~いスタンディングオベーションの拍手で終わりました。
私の席からです。波打ち際席!
中国地方だけですが、NHKで次の放送がありました。
・Eテレ 3月30日深夜1:50~2:33
・FM 3月31日7:25~9:20
演奏ホールです。
当日券は何時もはあるのですが、今日は完売です。
オーボエとホルン奏者も退団です。
TVカメラが入っていました。
お父さんもクラリネット奏者、弟さんはベルリン・フィルの首席クラリネット奏者。
ちょっと分かり難いのですが、マイクがsetされています。
(追記)
ホールから出る際、井形健児事務局長に出会いました。私が「真面目系が続きますね。」と申し上げたら、私の意図をご理解したようです。次の指揮者は下野達也氏ですね。いかにも真面目系。ちと話は違いますが、汗沢山の方でもあります。
http://blog.goo.ne.jp/windy-3745-0358/e/43ead64fdec10f29766889dd9a486a87
評価は高いようであります。