学年だより「“青春”の発生」
川越東高等学校への入学をこころより歓迎します!
○○くんが誓いの言葉のなかで語ってくれたように、494名全員が夢を叶える道を歩んでいけるように、がんばっていきましょう。
公開中の映画『プリンシパル』は、黒島結菜さん演じる女子高校生の住友糸真(しま)が主人公。
何事にも一生懸命で、物怖じしない糸真は、ときに「空気を読まない子」とも扱われてしまう。 東京の女子校で仲間はずれになり自分の居場所がないと感じた糸真は、離婚して札幌に移り住んだ父親の元で暮らしはじめる。そこで通い始めた共学校で出会ったのが、クールで上から目線の弦くんと、すこしからだが弱くて笑顔がまぶしい和央くんだった。
学校を代表する人気者の2人とすぐに親しくなってしまったことで、またもや周囲の女子たちから冷ややかな視線を浴び始める。そんな糸真に声をかけてきた女子が、川栄李奈さん演じる晴歌(はるか)だった(ちなみに、恋と友情に揺れ動く繊細さを演じる川栄さんのかれんな演技は、この作品の白眉と感じました)。
宮脇咲良さん(HKT48)はこう語る。
~ 見ていて、キュンとする甘酸っぱい映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』。学校には、なんでこんなにキラキラとした青春が詰まっているんでしょう。私は、青春というものが発生するには、いくつかの条件が必要なんだと考えました。
まず、1つ目の条件は、「経験値の低さ」。何をやるにも初めてであり、あまり人生に慣れていないこと。2つ目の条件は、「余裕のなさ」。余裕がないと、物事にたくさん振り回されます。いろんなことに振り回されて、行き当たりばったりに動くことが、若さの証しである気がします。3つ目の条件は、「悩むことを楽しむ心」。人間関係で悩み、勉強で悩み、恋で悩み。学校とは、悩みごとが多い場所です。悩みごとが多いのは学校に限りませんが、悩みごとすら楽しんでいるのが青春です。悩むことをツラいと捉えた時点で、青春にはならないのです。4つ目の条件。「全力であること」。結局はこれが全て。何に対しても、全力でぶつかる姿勢。若者ならではの気がします。
この4つの条件を満たせば、学生でなくても、学校でなくても、青春は起きるのではないでしょうか。経験値の低さや余裕がないことは、決して悪いことではないのです。なぜなら、始めてすることに挑戦する時は誰だってみな戸惑うから。経験値なんて、ゼロ。でも、挑戦するから生まれることがたくさんあるのです。 (宮脇咲良「起き抜けすっぴんシアター」週刊SPAより) ~
これからどうなるかわからない、友達はできるか、クラスになじめるか、勉強についていけるか、目標が見つかるか、いったいどんな高校生活になるのか見当もつかない……。
こういう不安を抱いている状態は、実はものすごく幸せなのかもしれない。
自分で未来をつくっていけることであり、新しいものを生み出していけるということだから。
最初で最後の高校生活を迎えるみなさんは、すべて未経験で、余裕がなく、行き当たりばったりだ。しかし、そんな暮らしの中だからこそ“青春”なるものが発生してくる。