水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

みこみ予ほう機

2018年04月23日 | 学年だよりなど

  学年だより「みこみ予ほう機」


 「こづかいを上げてもらえるみこみはあるかしら?」 「アッカンベー」
 「すごくむずかしい宿題、できるみこみはあるかな」 「アッカンベー」
 「このプラモをうまくつくれるかな」 「ベー」……。
 「ベー」ばかりの答えがイヤになったのび太は、こう聞いてみる。
 「しずちゃんと結婚して人なみにささやかに暮らしたい」 「ベー」。
 「え? 人なみもだめなの? 死んでしまいたい … 」というのび太を、ドラえもんが慰める。
 「今のままの君だったらってことだよ。あくまでも見込み予ほうだから」
 「みこみ予ほう機」があったら、みなさんも訊ねてみたいだろうか。
 自分の高校生活がうまくいくかどうか、志望校に入れるかどうか、インターハイに出られるかどうか、彼女ができるかどうか、夢が叶うか叶わないか……。
 それを聞いた人に対する「予ほう機」の答えは、みなさんの予想どおり全て「アッカンベー」だ。
 10年前、カラフィナのメンバーの前に「みこみ予ほう機」が置かれたなら、彼女たちは聞いてみただろうか、「あたしたち、うまくいきますか?」と。
 大谷選手は尋ねるだろうか、「二刀流、成功しますか?」と。
 もし聞いていたなら、答えは「アッカンベー」だったはずだ。


~「じゃ、ぼくがかわったら、未来もかわるの?」
 「もちろん。思いきってぶつかってみることさ、くじけずに」
 「みこみはぜったいにそうなるということじゃないんだよ。
  いまのままのきみだったらってこと。
  なんでもちょっとうまくいかないとすぐになげだすようじゃ、
  ろくなことにならない。」
 「じゃ、もしぼくがかわったら、未来もかわるの?」
 「もちろん。思いきってぶつかってみることだ。
  はねかえされても、くじけずに」
   (藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん8』小学館)  ~


 2018年4月現在のみなさんの心の中には、さまざまな不安があることだろう。
 「みこみ予ほう機」を目にしたら、つい聞いてしまうかもしれない。
 「自分は大丈夫ですか?」「見込みはありますか?」と。
 しかし、今必要なのは、自分の見込みをさぐることではない。
 他の人から「無理じゃないか」「無謀なチャレンジだ」と言われる人は、いや言われる人「ほど」、自分の夢に向かってどんどん突き進んでいく。
 決して、自分の見込みを判断してからやろうなどとは思わない。
 むしろ「無謀な」夢、自分に向いてなさそうなこと、考えてもいなかったことこそ、チャレンジのしがいがある。まずは、何かにとりつかれたようにやってみようではないか。
 あいつ、バカか? って言われる状態に入れたら、おそらく見込みはある。

コメント
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