水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

誰かのために(2)

2019年06月21日 | 学年だよりなど
2学年だより「誰かのために(2)」


 「目標」という言葉は、自分のための、目に見えてわかる結果を指して使われる。
 「第一志望に合格する」「県大会で優勝してインターハイに出る」「有名企業に就職する」「5年後には年収を10倍にする」「バンドでメジャーデビューする」などのように。
 しかし、目標が高ければ高いほど、思うような結果はなかなか出ないものだし、実現には困難が伴う。そんなとき、頼るのが自分だけの場合、人は往往にして疲れてしまうこともある。


 ~ そもそも「自分・有形」の目標だけでは、人間そう頑張り切れるものではありません。「自分・有形」の目標だけでは、目標を達成できなかったときの心のダメージも大きくなってしまいます。たとえ有形の目標が達成できなかったとしても、家族・同僚やお客様への喜びを生み出していたり、仕事に対する自分のやりがいや感情が高まっていれば成長を実感でき、再挑戦につながるのです。
 自分のやっている仕事は、社会や他者のどの部分につながっているのか。どんな利益や影響をもたらすのか。どんな感情を生み出すのか。快適さ、安心感、楽しさ、喜び、誇り、イキイキ……。自分以外の存在(社会や他者)について思いを巡らせ、想像力を先へ先へと伸ばし広めていく。この思考と感覚が優しさや思いやりの心を育てるのです。
 「私の今回の目標は、誰を幸せにするの?」「誰を喜ばせたいの?」「何を提供できるの?」ということをしっかりと考えて進んでいくと、健全な目標になり、仕事もはかどります。 (原田隆史『最高の教師がマンガで教える 目標達成のルール』日経BP) ~


 原田氏は、目標を四種類に分けて設定してみることで、実現可能性が高まると説明する。
 1つは「自分・有形」の目標。
 2つ目は「自分・無形」の目標。1つ目が達成したときにどんな気持ちになるかを想像してみるのが、「自分・無形」だ。
 さらに3つ目として「他者・有形」の目標。自分が目標を達成したときに、社会や他者にどんな具体的なプラスが与えられるかだ。
 4つ目は「他者・無形」の目標。社会や他者がどんな気持ちになるか、ということだ。
 私たちは、目標を考えるときに無意識のうちにこれらの内容を想定はする。
 ①次の大会で優勝したい、②優勝したらかっこいい、③優勝したら来年部員が増える、④親が喜んでくれるにちがいない、というように。
 ①や②だけが強い人は折れやすく、③や④を意識できる人ほどモチベーションを高く持ち続けられ、その結果として目標が叶いやすいのだ。
 ③・④を意識している人の行動は、周囲の人がそれに気づき、自然にサポートしてくれるのも大きい。逆に自分さえよければいい風に見える人は、周囲の後押しを受けにくくなる。
 自分たちの頑張りを被災地の人に届けたいという「なでしこジャパン」の思いは、周囲にいる人にももちろん伝わっていただろう。人が何事かをなすには、自分だけの力では難しい。
 勉強でも部活でも仕事でも家庭でも、それは同じはずだ。
コメント
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