水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

インターリービング

2019年06月27日 | 学年だよりなど
2学年だより「インターリービング」


 英単語が暗記できない、年代が覚えられない、公式が身体に入っていかない … 。
 勉強ができるようになるためには、覚えなければならないことが必ずあるのは言うまでもない。
 「丸暗記」や「詰め込み」は本当の勉強ではないと言う人がいるが、勉強の下地を作らなければ、勉強そのものが成立しない。どうすれば暗記できるのか。
 答えは簡単だ。「繰り返し」覚えればいい。
 繰り返し脳に入ってくる情報は、脳が勝手に判断して「暗記の格納庫」にしまおうとするからだ。
 覚えられないのは、脳の機能が劣っているのではなく、覚える作業に問題がある。
 いつも会っている人の顔と名前を忘れない理由は、いつも会っているからだ。
 毎日目にする基本的な単語は忘れるはずがないが、めったに見かけない抽象的な単語は、意図的に繰り返さなければ覚えられない。
 ある人の名前を覚えるためには、ある日1時間話し続けるより、一日5分ずつ12日間会い続ける方がいい。この人はよほど大事な人なんだと、脳は判断してくれることだろう。
 音楽の世界では、楽譜を読む、歌う、リズムをからだで刻む、楽器を演奏する、録音してきくといった活動を次から次へと行う練習方法が主流だ。
 ある曲のあるフレーズをできるようになるまでひたすら繰り返すという練習方法は、一昔前のものと考えられている。
 スポーツにおいても、様々な種類のトレーニングを組み合わせ、次から次へと繰り返していきながら、必要なスキルが自然に繰り返され身についていく方法がとられるようになっている。
 音楽でも、スポーツでも、形が変わるたびの集中力がリセットされるため、一つのことを延々繰り返すよりもはるかに効果があがることが学問的に明らかになっているからだ。
 勉強でもこの方式を採用すると効果があがる。「インターリービーング」と言われる方法だ。


 ~ かつては1つの技能をマスターするまで同じ練習をくり返す「ブロック練習」が定番でしたが、ここ数十年の研究により、1つのセッションで複数の内容を学んだほうが上達しやすいことがわかってきました。
 2015年に南フロリダ大学が行った実験では、学生に2パターンの勉強法を指示しています。
  1.1つの方程式の使い方をマスターしたら次に進む(ブロック練習)
  2.1回の授業でさまざまな方程式の使い方を学ぶ(インターリービング)
 すると、翌日のテストではインターリービングを使ったグループのほうが25%も成績が良かったうえに、さらに1か月後の追試では、両グループの得点差は倍近くに開いていました。インターリービングのほぼ圧勝と言える成果です。 (メンタリストDaiGo『超効率勉強法』学研プラス) ~


 「インターリービング学習」といっても、難しいことではない。
 「ライティング20分→文法20分→リスニング20分」「ベクトル20分→二次関数20分→行列20分」という具合に、次から次へとこなしていけばいいだけのことだ。
コメント
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