水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

やりたいことノート(2)

2021年08月30日 | 学年だよりなど
1学年だより「やりたいことノート(2)」


 紙やノートに自分の気持ちや経験を書き出すのは、「ジャーナリング」とよばれる作業だ。
 何をどう書けば、幸福感があがるのか、心が落ち着くのかなど、「ジャーナリング」に関する実験的研究も行われている。
 18歳から42歳までの81人の大学生が、4日間で20分間のジャーナリングを行うという実験では、①将来の最高の自分についてのストーリーを書く、②自分の人生で最もトラウマになっている出来事を書く、③その両方を書く、④その日の計画をできるだけ詳細に書く、という4つのグループ分けが設定された。
 実験の前後に気分の測定を行うと、将来の自分について書いた①グループが、最も心が落ち着き、その効果が3週間後まで続いたという。過去のトラウマを書き出した②グループにも効果はあり、5ヶ月後の調査では、①~③グループは、④グループに比べて病気が減っていたという。


~ 研究者たちは「将来の最高の自分」を想像して書き出すことで気分が良くなり、幸福度が上がるだけでなく、「自分の最善の未来に焦点を合わせれば、目標を効果的に追求できる可能性がある」とも述べている。これは未来の自分が今の自分をコントロールする「セルフレギュレーション(自己制御)」という考え方に基づいている。
 最高の自分をイメージすることで目標や優先順位がよりクリアになり、時間管理や学習習慣、食生活といった面で現在の自分にポジティブな影響を及ぼすのだ。簡単に言うとゴールから逆算して今やるべきことを考える、ということであり、仕事、勉強、筋トレ、恋愛すべてに共通する成功法則だ。成功のための行動が現在の幸福にもつながるのだから、こんなにお得なことはない。
                  (Testosteeone『幸福の達人』ユーキャン自由国民社) ~


 ノートに書いたぐらいで、その夢が叶うということはない。
 でも、書かないことには、何をやっていいかわからないままなのだ。
 漠然とした思いを形にするために、人は「言葉」を持ち、言葉のおかげで、自分がどうなりたいかをはっきり意識できるようになった。
 0(ゼロ)が1になるのは、大きい。
 ノートに書いたぐらいで夢は叶わけないが、書くことによって気分がよくなる。
 もしかしたら、夢に一歩でも近づけるかもしれないと思える。何をすればいいかがうかんでくる。そのうちの一つでも実際にやってみるかもしれない。さすがに一日に3時間ゲームするのはよくないと思えるかもしれない。寝る前に腹筋50回だけやれるかもしれない。
 1は2にしかならないかもしれないが、100になる可能性をも持つ。
 0は待ってても0のままだ。まず1にするのが「やりたいことノート」だ。
 推薦うんぬん関係なく、モチベーションをあげるために最も有効な作業だと言える。
コメント
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