水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ジャンルを越える

2021年09月20日 | 学年だよりなど
1学年だより「ジャンルを越える」


 9月19日(日本時間20日)対アスレチックス戦、8回104球を投げて2失点、被安打5本、10奪三振……。残念! 大谷選手の10勝目はならなかった(と書いてたらエンゼルス追いついてる、もっと早く点とってあげてよ)。
 今シーズンの大谷選手は、打者として44ホームラン、投手として9勝、23個の盗塁もある。
 かりにホームラン王も10勝も達成できなかったとしても、「最も価値あるプレーヤー」であることは揺るぎないだろう。それは記録うんぬんではなく、野球というジャンルそのもの枠を揺るがした存在であることだ。
 日本のプロ野球に入団したとき、大谷選手の二刀流挑戦を、多くの人は無理だと言った。
 日本野球の歴史をつくってきた名選手達のほとんどが否定的だった。
「野球をなめるな」と言う人までいた。
 並外れた才能を持ち実績を作ってきた人でさえ、自分の持つ枠を離れることはできないのだ。
 その昔、大谷選手は、「どこを守ってる?」と尋ねられ、その意図を察してこう答えている。


~「ピッチャーと外野手です」 ―─二刀流って言わないんだ。
「僕は使わないですね。誰が言い始めたのかわからないので……僕はそういう表現は使わないです。僕の中ではただ野球を頑張ってるという意識でやってますから、(投手と外野とは)やるべきことは区別して取り組みますけど、(二刀流などと表現して)そういうふうに区別することはないかなと思います」 (石田雄太『大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013-2018』文藝春秋) ~


 高校卒業後、すぐにメジャー入りを希望した大谷選手を、「うちで両方やろう」と口説き落としたのは、日本ハムの栗山英樹監督だ。


~ 「今年はドラフト1位を2人獲れたようなもの。ピッチャーの大谷翔平と、バッターの大谷翔平。どちらもドラフト1位クラスの逸材なんだから、そりゃ、二刀流だってやりたくなるでしょ。みんな、プロ野球では無理だよって言うけど、最初から無理だと言ってたらすべてが無理。簡単にイメージできるのは、野手でレギュラーを獲って、リリーフでマウンドに上がるという二刀流なんだけど、彼の感覚だと、エースで4番なんだよね。確かに、我々の感覚でもバッティングは必ず4番になれるわけだし、あとはエースになれるだけのものをどうやって作っていくかということ。それをこっちも必死で考えていかないとね」(栗山監督の言葉)~


 どんなジャンルでも、そのジャンルそのものを変えるほどの天分をもつ人が現れることがある。
 それに気づいてくれる人と出会えることも、その人の運であり才能と言っていいのかもしれない。
 そしてそれは、そのジャンルの幸運であり、あとに続く人の希望になる。
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