水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

無意識の「奴隷」(2)

2022年01月04日 | 学年だよりなど
1学年だより 無意識の「奴隷」(2)


 授業も部活もなかった年末年始。紅白を観ないで机に向かったか、元旦早朝からジョギングに飛び出したか、一日お笑いを観ていたか、友人を誘ってゲーセンに行ったか……。
 みなさんがとった行動は、無意識が決定している。
 お年玉をぱっと使うか、貯めておくかも、自分の意識ではなく無意識に導かれている。
 意識はさまざまな情報を知覚する。視覚から、聴覚から、嗅覚から、味覚から、触覚から。
 そして、突如ひらめくことがある。いいこと思いついた! 今日の俺は、冴えてる!
 その瞬間の自分の賢さに驚く。


~ しかし実際にはあなたにひらめきの瞬間が訪れる前に、脳が膨大な量の仕事をやっていたのだ。一つのアイデアが舞台裏から表に出てくるとき、あなたの神経回路は何時間も、何日も、あるいは何年もそれに取り組み、情報を集約して新たな組み合わせを試している。しかしあなたは舞台裏に隠れている壮大なメカニズムに驚嘆することもなく、手柄を横取りする。
             (デイヴィッド・イーグルマン『あなたの知らない脳』早川書房)~


 自分が何をするかは、その瞬間、その時々に自分で決めていると思っているが、実は長年にわたって形成されてきた脳が導いているのだ。
 いまのみなさんは、自分の無意識を意識的につくる作業をしているといっていいだろう。
 勉強する、本を読む、頑張る、うちこむ…
 何かを成し遂げること以上に、その経験自体が大事というのは、そういう意味でだ。
 自分以上にやっている人の姿を脳にインプットするのも大きい。
 今していることの蓄積で、5年後、10年後の自分の行動が無意識的に変わる。
 出来るだけ入るのが難しい大学に入った方がいい理由もここにある。無意識レベルへのインプット量や質が全然変わるからだ。


~ たとえ、生まれながらにしてお金持ちになる方法を教えてくれる環境にはいない人であっても、成人した後で、読書を通じて学ぶことで、いくらでもそういう知識と経験を得ることができるのです。つまり、成人になってからでは遅いなんてことはないのです。
 とにかく重要なのは、さまざまな本を読むことによって、どのような思考様式、行動様式を身につければ、お金に不自由しなくなるかということを学び続けることです。そうしたアイディアはそれこそ、いろいろな本にちりばめられていますし、詳細に論じられているものもあります。(勝間和代『勝間式 金持ちになる読書法』宝島社)~


 どんな環境にいても、自分で脳を育てることができる。手っ取り早いのは、本を読むことだ。
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