水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

文学部になんか

2022年01月28日 | 学年だよりなど
1学年だより「文学部になんか」


「文学部になんか行くな、勉強しても報われないぞと最初から言え」というブログ記事を、大阪市立大学文学部の増田聡教授が紹介している。ポピュラー音楽などを研究なさる先生だ。
 そして、「これ読んでよく考えた上で文学部志望を変えない人だけが受験してくれますと文学部教員としては助かります」とツイートされている。ブログはこんなふうに始まる。


~ 受験を経て中学に入学してから、大学受験は恐ろしいものだという周りの言葉にしたがって、青春を勉強にささげた。高校生の私は、文学や映画といった芸術が好きで、それを勉強してみたいと思った。そうして文系を選択し、今まで以上に勉強を続ける。その結果、オープン模試では浪人も含めた受験生で一位になるなど、自分でも本当かよと思う成績を常にとっていた。そして大学受験。過去最高の点数をたたき出し、狙い通りに宮廷(ママ)大の文学部に晴れて入学。入ってからは、サークルに所属することもなく(人と関わるのが面倒くさかった)、変わらず勉強に打ち込む日々。文学理論の本をあさり、文学作品を読み、レポートを必死に書いた。 ~


 ずいぶん勉強を積まれた方だ。幼い頃から、親や先生の言うことを聞いて勉強にはげみ、旧帝大に合格する。大学では、好きな文学研究にいそしむ。
 そしていざ就職を……、となった時、彼(彼女?)は、困ってしまったと語る。


~ そして今、就活を始めてやっと気づいた。今の私を求める企業なんかない。
 ES(=エントリーシート)に書けることがない。ガクチカ(=学生時代力を入れたこと)で、今まで勉強を一人でしてきました! とは書けない。自己PRで、成績めっちゃいいです! とは言えない。そこまで頭がいいなら研究者になれば? と思うかもしれない。しかし、私が得意なのは勉強であって、真理を追究しようという強い意志も、狭き門を狙って親の穀潰しを10年以上続けるほどの度胸もない。
 親は私が文学部に進むのをまったく止めず、「せっかくその頭があるんだから好きなことを研究しなさい」と言って送り出してくれた。小学生の時から中学受験のために塾に入れ、バカ高い私立進学校の学費を払い、ここまで育ててくれた。ごめんね、ありがとう、でもあなたたちはマジで教育を間違えたよ。私のこの先の人生のことはまったく考えずに、勉強だけさせたらいいと思ってたんだね。「そんなに頭がいいんだから、人生一度なんだし院に行ったらいいんじゃない」「研究者になったりして!」と言う。親は分かってないのだ、何にも。仮に文学修士で卒業するとしても、そんなやつどこの誰が雇いたいと思うのか。(「はてラボ」2022年01月14日の日記)~


 文学を勉強しても、就職には役立たない――。これは本当の話だ。
 だから、大学の先生も「覚悟して受験してほしい」と言う。
 ここで、みなさんに大事なことを伝えないといけない。文学だけではないのだ。
 実は、法学や経済学を学んでも、就職には役に立たない。理学や工学もだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする