水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

得手不得手

2022年11月05日 | 学年だよりなど
2学年だより「得手不得手」




 なるほどっ! と思うエピソードを読んだ。




~ いつも漢字の小テストで満点を取るある男子生徒に、他の生徒が聞いた。
「なあなあ、どうやって漢字覚えてんの」
 男子生徒は答えた。
「ノートに10回ずつ書くねん。ほんで1回自分でテストして、間違ったやつはあと5回書く。それで覚えるねん」
 すると、他の生徒が言った。
「おれ、前にそれ聞いたから10回ずつ書いたけど、覚えられへんかったわ」
 するとある女子生徒が言った。
「それやったら、20回書いたらええやん」
 何気ない会話で、最後の女子生徒の発言でクラスにはどっと笑いが起きた。
 しかし私はドキッとした。これって、真理をついているぞ、と。 ~




 10回書いて覚える人、20回書かないと覚えられない人――。
 それは、能力うんぬんというより、人には得手不得手があるからだと、原田隆史氏は述べる。
 長所、短所とも違うし、勉強ができるできないでもない。
 暗記は苦手だが計算はやたら速いとか、漢字は覚えられるのに英単語の暗記は不得意という人もいる。人前で話すのは苦手だけど見やすい文書を作るのは得意とか。
 たしかにこれらは、人としての能力云々というより、誰にもある得手不得手だ。




~ そして、何よりも大切なことは、「自分は何回書けば覚えることができるのか」を自分で知っていること、なのではないか。
 1回で覚える人もいるだろう。見ただけで覚える人もきっといる。
 それを、自分はたまたま20回かかる、というだけ。
 多いも少ないもないのだ。自分は20回書けば覚える、ということを知っていることこそが、何よりも重要なのである。
              (原田隆史メルマガ【仕事と思うな、人生と思え】Vol.691) ~




 学校のいいところは、自分の得手不得手に気づける場であることだろう。
 苦手でしょうがないと思っていたことが、実は周りの子よりかなり上手な方だったりする。
 自分では得意だと思っていても、周りはもっと簡単にこなしているのを見かけたりもする。
 自分からはやろうなどと思わないようなことを、なかば強制的にやらされた結果、才能が開花することもある。
 自分の得手不得手は、他人との比較があると、はっきり見えてくる。
 とくに同世代とのそれは、自分の立ち位置を把握し、将来の目標を考えるための貴重なデータだ。


コメント
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