私が最も聴き込んでいるピアノ曲、と言えば大げさになります。
最も好きなピアノ曲の一つが、これ!
ベートーヴェン作曲のピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」です。
とりわけ第2楽章は、これがベートーヴェンの曲とは知らなくても、
ほとんどの人が聴いたことがあるとお思いになるはずです。
よくCMにもアレンジされているのが聴かれますから。
テレビのCMでクラシックの曲が流れてきます。
そんなとき、家族に質問すると
★ これ、聴いたことあるよねぇ。誰の作曲でしょう?
☆ シューベルトっ!
★ ほう!惜しいけど・・・・じゃあ、シューベルトの曲で有名なのは?
☆ これっ!
(・・・・の部分でベートーヴェンと言うべきだった)
(これはモーツァルト)
♪♪♪♪
また、大げさになりそうですが、
衝撃を受けたのがたぶん高校1年生のときの文化祭。
同級生の女の子が、この第3楽章を弾いてたんです。
それでいっぺんで一目惚れ、なんかじゃなくて・・・・
ベートーヴェンを弾く子が目の前にいるっていうことに、
腰が抜けるほど驚いたわけです。
(バックハウス盤:悲愴・月光・熱情)
おそらく、これこそが「悲愴ソナタ」に
心惹かれるきっかけになった出来事でした。
レコードを買ったのは就職してから、
ウィルヘルム・バックハウス(1884-1969:ドイツ)盤を。
いまもこのCD版しか持っていませんし、つまり聴いていません。
そして、すっかり忘れていたこと・・・・
この曲の楽譜(正確には、NHKのテキスト)がうちにありました。
もう10年以上も前に教育テレビで放映されたもので、
わが家の誰も弾かなくなったピアノ(調律は決まってしてますが)の横、
楽譜を無造作に積み上げた籠の中に入ってました。
(第1楽章)
先生の指示・コメントがありまして、なかなか興味深いものがあります。
ピアノを弾く方自身がみな詩人なんだと私は思いますが、
まさにそのとおりだなと思いました。
味わい深い、その指示の部分を引用してみますと・・・・。
(第2楽章)
第2楽章の冒頭の8小節は、実は音を鳴らすということなら、
私でもなんとか短い両手で弾けてしまいます。
~ もしかして練習したらもっと、なんて思いません
リビングの「家内の」植物が枯れてしまいます ~
(第2楽章)
私は、やはりこの第2楽章がたいへん好きで、
もっと言うなら、この楽章が静かに終えていく、
そして第3楽章につながっていく、その第3楽章が始まる、
そのつかの間の静寂を含めた部分が、特に好きなのです。
(第3楽章)
♪♪♪♪
今夜は、この楽譜を辿りながら聴いてみましょうか。
この曲にふさわしいのは、
限りなくうすい緑色がかった「プリムラ・クラウディア」。
私には、やっぱりこの花を添えてみたくなってしまいます。
この曲には色があって、昔からそんなイメージなのです。
(プリムラ・ジュリアンの黄色とともに、プリムラ・クラウディア)