今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

災害伝言ダイヤルの使い勝手

2011年01月19日 | 防災・安全
阪神大震災を思い出す今の時期の話題。

震災など規模の大きい災害の場合、被災地への電話が集中するため、回線がパンクして通話が不能となる。
そこでNTTでは、「災害伝言ダイヤル」という災害時専用の伝言ダイヤルサービスをしている。
このサービスを知っているといないとでは大違いがある。
NTT東日本災害伝言ダイヤル
NTT西日本災害伝言ダイヤル

まずは、「防災とボランティア週間」 (1月15日9:00~1月21日17:00)の今、体験利用ができるので、
ぜひ体験しておくことをお勧めする(毎月1日と15日にも体験利用できる)。

私は大学で防災の演習をやっており、受講者に災害伝言ダイヤル(171)を体験させている。
体験した学生が指摘した使い勝手の問題点を紹介する。

①携帯電話の番号では録音できない(固定電話のみ)。
多くの現代人は、携帯電話を通話に使う。
なので、災害伝言ダイヤルもまずは携帯を使う。
ところが、被災地の学生が自分の携帯番号を登録しようとしてもできない(携帯電話での再生はできる)。
ここで多くの学生がつまずいた。
しかもそのアナウンスが見当たらない(配布したマニュアル、音声ガイダンス内)ので、何度も試みて失敗し、
結局は利用を諦めてしまう。
※携帯電話用にはメール用の災害掲示板サービスが各社にある。

②手順が複雑で、音声案内が聞き取りにくい(ノイズ、小さい)。
多くの人が、「171」の次のステップ(4択操作)でつまずいた。
つまり伝言の録音に至らない。
4択操作の音声ガイダンスが冗長となり(しかも聞き取りにくい)、最初の選択肢が何であったか忘れる。
4択は多すぎ。
マニュアルが手元にないと無理といってもいい。
デフォルトの操作はもっと簡単にすべきで、たとえば、1711か1712の入力で直接に録音か再生ができるようにしたほうがいい。

③マニュアルの表示の文字が小さすぎる。
比較的わかりやすいと思ったNTT東日本のマニュアルを配付して、
受講者の自宅でトライさせたのだが、
お年寄りにとってはマニュアルの字が小さすぎるという。
マニュアルの字が小さくなるのは、操作手順が複雑なせいだ。
そもそも、災害時の状況からして、マニュアルを見ないとできないようではダメ。

選択肢は基本的に2択程度にすべきだ。
暗証番号は「なし」をデフォルトにすべき。
それと、固定電話がプッシュホンか否かは、家族全員がわかっていることではない(ボタンだけみればほとんどプッシュ式)。
この選択肢も不要にしてほしい。

天下のNTTならユーザーインタフェースはチェックしているはずだ(私自身ここでその研究に関与していた)。
それなのに、まだまだなレベル。

と、かように使いにくいサービスなので、ぶっつけ本番ではなく、事前に練習しておくことをお勧めする次第。

ついでに、世帯が別れた家族間の場合、共通の番号に指定しておくとよい。
番号は被災地である必要はない。