いいかげん、新型コロナウイルスの話題から離れたいのだが、感染者がどんどん増えているので(集計上減りはしない)、目をそらすこともできない。
そこで、気持ちを整理するため(怖がった方がいいのか、怖がらなくていいのか)、主観をまじえず客観的、すなわち統計的にこのウイルスの危険性を算出したい。
統計をとるには、ある程度の数が必要だが、幸か不幸か厚生省のサイトで407名もの陽性者のデータが揃った(3月7日12時現在)。
それを元に危険性を算出しよう。
まず陽性者407名のうち、無症状が41名、有症状が366名。比率では、1:9。
有症状者のうち、要入院が298名。比率では81%。
要入院者298名のうち、軽〜中程度の状態が178名、明らかに重症(人工呼吸、集中治療)が28名(他は確認中など)。
そして死者が6名。
ということで陽性者の致死率は1.47%になる(年齢、基礎疾患の有無を無視した平均)。
季節性インフルエンザの致死率は0.1%だというから、その15倍。
この客観的数値をどう評価するかは、皆さんの主観におまかせする。
ところで、陽性なのに無症状のケースがあるという点にもどってみよう。
その確率は、10%である。
さらに無症状でも入院治療が必要となったのは27名(66%〕いた。
ただ10%という比率は、ランダムサンプリングによる結果ではないので、少なすぎる可能性がある。
これからも感染者数は増えていくはずだから、とりあえず検査結果の陽性者はいまの10倍(4000人)に増えるとしよう。
この中で無症状の人は、上の比率だと400人、あえてその倍の20%にして800人としようか。
この800人の”無症状の陽性者”に市中で遭遇する確率は、分母を構成する無症状の非感染者が莫大なので、とても低い(地域差がある)。
ただし、無症状の陽性者は、自分が元気だと思っている分、出歩く確率は有症状者より高いかもしれない。
でも有症状の陽性者の方が5〜9倍も多いのだから、確率的には、こちらを気をつけたい。
何しろ有症状者でも解熱剤飲んで旅行したり、中には「ひろげてやる」といってあえて出歩く人までいる(有症状者のうち66%が中等度以下)。
元気な若者に疑いの目を向ける前に、有症状者が出歩かないだけで、市中感染の確率はグッと減ることは確かだ。
感染者は日々増え続けているので、次回は700人ほどになったら、再集計してみる。