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フライ・ダディ・フライ 金城一紀

同じ作者の「レボリューションNO3」の登場人物がそのまま登場する本書だが、設定はこちらの方が前の出来事とのことだ。作者の本を読むと、怨念のようなものを感じる絶望的に暗い部分と、おだやかな暖かい光のように明るい部分の2つが交錯していると感じる。本書は、少し明るい部分が勝ったハッピーエンドの小説だが、それでも根底にある悲しい雰囲気は強烈に心に残る。よく考えると、最後までの展開は予想の範囲だし、ストーリー自体良くある話のような気もするが、それでもここまで感動させてくれる作者は本当にすごい作家だなぁと思わざるを得ない。これだけ痛快な話ならば「映画にしても面白いだろう」と思ったら、もう既に映画化されているらしい。映画を見て暖かい気持ちになるのも良いだろうなぁと思う(「フライ・ダディ・フライ」金城一紀、角川文庫)
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