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「アメリカ社会」入門 コリン・ジョイス

英国人がニューヨークに住んで感じたことをユーモラスに記述した本で、思わず笑ってしまう箇所も多く、楽しく読むことができた。アメリカのなかでもニューヨークは特殊な場所であると良く言われる。一方、イギリス人は、かつて大英帝国を築いた人々であると同時に、大いなる没落を経験した人々でもあり、その歴史において極めて特殊な地位を占める人々である。そうした特殊と特殊がぶつかり合い、それを世界でも結構特殊と思われていて、自分達でもそう自覚している日本人が読むという状況なのだが、それが結構面白い。例えば、イギリスとアメリカの「ユーモア感覚」の違いについて書かれた部分を読むと、結構日本の方がイギリスに近いなぁと思ったりする。人がどのような時に恥ずかしいと感じるかという点なども、日本はアメリカよりもイギリスに似ているようだ。通常の2か国比較の場合は2通りしかない関係が、3か国になると6通りになるということで、いろいろ微妙に面白い気がする。(「『アメリカ社会』入門」コリン・ジョイス、NHK出版)
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