書評、その他
Future Watch 書評、その他
あたまはスローなほうがいい 竹内久美子
生物学に関する素朴な質問に1つ1つ丁寧に答えてくれる内容で、その答えも面白いし、質問自体も「そういえばなんでだろう?」というものばかりで大変面白い。「ナマケモノはあんなに怠け者なのにどうして絶滅しないのか」「魚好きの猫はどうして水嫌いなのか?」などは質問自体が面白い類だ。「似たもの夫婦は何故似るのか」という質問への答えもちょっと意外で面白かった。最初の方は下ネタが多いの戸惑うが、後半はいたってまじめなQAになってほっとする。全編を読むうちに「利己的な遺伝子」の考え方への理解が深まるようになっている。挿絵も面白く、「テントウムシの模様」の挿絵には、真剣に何分も考え込んでしまい、理解できたときは思わず笑ってしまった。
最後の「ルイセンコ学説」の話のところで「木原均博士」の名前が出てきたのは懐かしかった。木原均先生は、私の母校(高校)の理事などをなさっていた世界的な学者なのだが、ルイセンコによって失脚させられたロシアの学者と親交があったということを本書で初めて知った。私には高校の理科の時間で「ルイセンコの陰謀」についてかなり詳細に教わった記憶がある。その詳細さは半端ではなく、高校の授業の範疇をかなり越えたものだったと思う。本書を読むまでは、あの授業は、遺伝というものの理解を深めるためのものだと思っていたのだが、もしかするとロシアの権力と戦った学者を支援した木原先生への尊敬の念が理科の先生にあったのかもしれない。(あたまはスローなほうがいい」竹内久美子、文春文庫)
最後の「ルイセンコ学説」の話のところで「木原均博士」の名前が出てきたのは懐かしかった。木原均先生は、私の母校(高校)の理事などをなさっていた世界的な学者なのだが、ルイセンコによって失脚させられたロシアの学者と親交があったということを本書で初めて知った。私には高校の理科の時間で「ルイセンコの陰謀」についてかなり詳細に教わった記憶がある。その詳細さは半端ではなく、高校の授業の範疇をかなり越えたものだったと思う。本書を読むまでは、あの授業は、遺伝というものの理解を深めるためのものだと思っていたのだが、もしかするとロシアの権力と戦った学者を支援した木原先生への尊敬の念が理科の先生にあったのかもしれない。(あたまはスローなほうがいい」竹内久美子、文春文庫)
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