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ソウルケイジ 誉田哲也
累計で100万部以上売れているという「姫川シリーズ」の第2作。本書を読んで、陰惨な犯罪、カンを頼りに捜査を進める主人公の女刑事、それを取り巻くおじさん達という3つがこのシリーズの決まり事だということが判ってきた。この3要素は、どれもシリーズを面白くしている大切な要素だと思うが、特に面白いのは、警察という独特の組織の論理にどっぷり浸かっているマイナスの部分と、真面目で使命感にあふれた地道な努力を続けるプラスの部分を併せ持つ魅力的な脇役達だ。自分のカンに頼ってやや危なっかしい主人公を、主人公に嫌われながらも何となく面倒見てしまうおじさん達がいっぱいでてくるのが微笑ましい。また、本書では、罪と知りつつ犯罪を犯してしまう「悲しい犯人」という日本的なウェットな部分が強いが、この要素が、すでにあと2冊刊行されているこのシリーズの共通の構成要素なのかどうか、少し気になるところである。第3作、第4作ともすでに入手済みなので、すぐにでも次を読みたい感じだ。(「ソウルケイジ」 誉田哲也、光文社文庫)
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