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ホームズのいない町 蒼井上鷹

本書ほど読んでいる途中で印象ががらりがらりと変わる本も珍しいような気がする。13の短編が収められているのだが、最初の作品を読んだ時には、最後のほうでこのようなことになってしまうとは夢にも思わなかった。最初の作品では、凝った内容の作品だという印象と、懲りすぎていて何だかごちゃごちゃしているなという印象を持ったのだが、途中で何だか変だなと思い始めて、最後の4作品くらいになると「ホームズがいない町」という題名の作者の意図が段々みえてきて、「なあんだ」と思ったら、最後の作品で、ひっくり返るほど驚かされた。ある意味トンでもない「トンでも本」だが、あまりのハチャメチャさに結構感動すら覚えた。屁理屈でもいいから誰かが事件というものを1つずつすっぱり解決してくれないと、事件の連鎖が連鎖さを呼んでとんでもないことになってしまうということか。笑える1冊。(「ホームズのいない町」 蒼井上鷹、双葉文庫)

 

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