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どら焼きの丸かじり 東海林さだお

本の帯に「丸かじり」シリーズの記念すべき30作目とあり、巻末の解説もこれまでの29冊の解説を総括するような内容になっていて、このシリーズのファンにとっては、これまでの作品を懐かしく思う1冊になっている。私自身は、全部間違いなく読んでいるかどうかは自信がないし、それを確認したことはないが、少なくとも27冊か28冊くらいは読んでいるはずだ。内容的には昔のように1つのの食品を徹底的に語り尽くすという感じからもっと自由に、1つの食品をきっかけにして色に対する独自の見かたを披露するというスタイルに若干移行してきているように思われる。また、以前から少し気になっていた世論を気にしたカッコ書きの注釈も本書では全くなくなっていて、その辺が大変すがすがしい感じになっている。読んでいてどうということのない内容なのだが、つい「丸かじり」というタイトルをみると手に取ってしまう、そんな古い付き合いの間柄だ。(「どら焼きの丸かじり」 東海林さだお、文春文庫)

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