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探偵倶楽部 東野圭吾

20年以上前、即ち作者が「容疑者x…」でブレイクする前の作品である。著者のこの頃の作品にを読む時は、いつも「もしかしたら読んだことがあるかもしれない」と思いながら読むことになる。私自身30年以上読書ノートを続けているので、それを全部確かめれば、読んだことがあるかどうかは調べられるのだが、そこまでするのも大変だし、なんとなくまだ読んでいないだろうという感覚だけで入手するのだ。幸いなことに読み終えても既読感は全くないので、おそらく読んでいないだろうということで落ち着いた。本の内容の方は、良くも悪くも器用貧乏と言われた当時の著者らしい短編集だ。今から思えば、当時の作風は「東川篤哉の作品からユーモア部分を除いた作品」ということになるだろう。流れるような記述もさることながら、最も似ているのは、かなり凝ったトリックを短編に惜しげもなく使うというところだろう。(「探偵倶楽部」 東野圭吾、角川文庫)

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