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亜愛一郎の転倒 泡坂妻夫

少し前に読んだシリーズ1作目が大変面白かったので、すぐに次を読みたいと思ったのだが、本屋さんでなかなか見つからず、ネットで2作目、3作目を取り寄せて入手した。2作目の本書は、1作目に比べて奇想天外さは多少弱い感じで、8つの短編のうち、半分くらいは結末の予想がついてしまったが、それでもアクロバティックな展開は相変わらず面白い。特に、「人間というものがはある法則に囚われてしまうとそれから逸脱した行為を行うことができなくなる、不合理と判っていてもその法則に沿った行動をとってしまう」ということを利用した謎ときは、まだこんなにバリエーションがあるんだと感心してしまった。第3作目にもこうした趣向の作品が残っているのかどうかが楽しみだ。(「亜愛一郎の転倒」 泡坂妻夫、創元推理文庫)

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