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天の梯 高田都

いよいよシリーズの最終話。少し前からシリーズ完結は予告されていたし、あまり長引かせずにきっぱり終わるらしいことには好感を感じていたのだが、、いざ終わるとなるとやはり寂しい。主人公を巡っては、①料理人としての大成 ②お世話になった人への恩返し ③幼馴染の救助 ④恋愛の成就という4つの課題があり、どれか1つを成し遂げようとすると、他の課題のクリアーが遠のくというパターンで話が進んできた。最後になって急転直下、全ての課題クリアということで、多少無理な設定はあるのかもしれないが、これまでの主人公のまっすぐな生き方や他人を思いやる気持ちを考えると、このくらいのご褒美はあってもおかしくないと思わせてくれた。それまでの苦労と最後のご褒美がちょうどバランスのとれたところでの完結、後味が非常に良いのはそのためだと思った。(「天の梯」 高田都、ハルキ文庫)

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