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美しき凶器 東野圭吾

著者のかなり前に書かれた作品だが、なぜかいつも行く本屋さんでPOP付の平積みになっていて、読んだ記憶がなかったので、読んでみることにした。最近になってドラマ化されたということでもないし、シリーズの最新作がでた前の作品ということでもないようで、純粋に書店の人が読んで面白かったということなのだろう。こうした「お勧め」に乗ってみるのも、その本屋さんで働く人との目に見えない交流があるようで面白い気がする。作品全体の内容は、初めの10ページくらいでだいたいどういう話なのかが判り、後はひたすら物語の展開を追いかけることになる。なかなかどういう作品なのか読み進めても分らない作品が多い中で、潔いくらいのストレートな内容で、逆に新鮮な感じさえした。深みに欠けるといってしまえばその通りだが、ある設定で動き出したストーリーをぐいぐい引っ張っていく文章にはやはり恐れ入るというのが正直な感想だ。(「美しき凶器」 東野圭吾、光文社文庫)

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