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女王はかえらない 降田天

第13回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作ということで話題の本書。イヤミスという触れ込みだが、作品自体は、最後のどんでん返しを主眼とした叙述ミステリーだ。ところで、最近イヤミスが、登竜門的な賞とか、北欧ミステリー界とか、色々なところで跋扈している気がする。現代の風潮や社会現象を敏感に感じさせる小説はどうしてもイヤミスになってしまうのかもしれない。また現実を茶化すような「本格ミステリー」界の閉塞的な現状も、そうしたイヤミス跋扈の一因かもしれない。さらに、最近のユーモアミステリーの台頭に対するシリアスなミステリーからの反撃という要因もあるかもしれない。こうなると、イヤミスは苦手と言ってばかりもいられない気がする。(「女王はかえらない」降田天、宝島社)

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