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沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉 堤未果

著者の「大国アメリカの暗部」を綴った本を読むのは、これで5冊目か6冊目になるだろう。それでも読むたびに、アメリカの将来、アメリカに振り回される世界の将来、アメリカに依存する部分の多い日本の将来が心配になり、心がざわつく。本書の内容は、そうした読者の心の要望に応えるように、アメリカの動きを追いつつ、日本のことがよく判るように、日本人として本当に知っておくべきこと、本当に心配すべきことに焦点が当たるような記述になっているのが有難い。本書を読んでいると、何者かにレッテルを張ること、例えば「日本医師会は圧力団体」などと決めつけて物事をみると、たぶんに本質を見失うことを教えてくれるし、著者の筆は、誰にも組することのないく、容赦ないもので、そうした本と巡り合えることが、いかに稀だが貴重なことであるかを思い起こさせてくれる。(「沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉」 堤未果、集英社新書)

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