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殺人は女の仕事 小泉喜美子

復刻版で読めるようになった作者の短編集の1つ。前に読んだ作品同様、本作も本格ミステリーブーム前のものだがどの短編も古さを感じさせない強い魅力を持った作品だ。古さを感じさせないのは流行や時事的な話をほとんど取り入れていないのが第1の理由だろうが、前作の時にも感じたことだが、それだけではなくて自分に合った語り口とか作者のオリジナリティいう要素も大きな理由だと思う。登場人物の人生観とか結婚観とかがどことなく古くて、それを逆手に取ったどんでん返しが逆に今を感じさせることさえある。作者がそこまで意識して書いていたとすればそれはすごいことだ。(「殺人は女の仕事」 小泉喜美子、光文社文庫)
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