goo

119 長岡弘樹

警察小説の名手による消防士小説。新境地を拓く作品の匂いがして大きな期待を持って読んでみた。消火、救急、救助と色々な役割を担う消防士が、訓練や現場を通じて様々なノウハウを習得していく様、過酷な現場に立ち向かう生身の人間として苦悩する様などが克明に描写された短編が並ぶ。救急、消火、救助の知識がミステリーの謎の解明に大きく関わってくるという構成も著者の教場シリーズに似ていて、色々為になったり考えさせられたりの連続だ。新しいシリーズの始まりという感じがして期待が高まる一冊だった。(「119」 長岡弘樹、文藝春秋)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )