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デトロイト美術館の奇跡 原田マハ

セザンヌが自身の妻を描いた肖像画を巡って起きた奇跡の物語。100ページくらいの中編。「たった一枚の絵がデトロイト美術館の危機を救った話」というとすごい奇跡のように思えるが、実際は一枚の絵というのは他の絵でも全然構わない象徴的なものだし、危機というのも財政危機でそれを救ったのが市民の寄付というアメリカあたりではかなりありふれたもの。しかもてっきり実話を元にしているのかと思ったら、登場人物のほとんどが実在ではない人物とのこと。良い意味ですごい著者の力量を再確認した一冊だった。(「デトロイト美術館の奇跡」 原田マハ、新潮文庫)
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