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麦本三歩の好きなもの第2集 住野よる

新刊が出たら必ず読む作家の新刊。既読の題名が新聞広告にちょくちょく出ていたので前作が文庫化したのかなと思っていたのだが、本屋さんで実物をたまたま見たら表紙に小さめな「第2集」の文字。そこでようやく続編の広告だったんだと気がついた。せっかく新聞広告を出してもこれでは気づいていない人も多いんじゃないかと思う。表紙の「第2集」の文字を大きくするか、いっそのこと全く違う題名にした方が良いと思った。内容は、前作同様主人公麦本三歩の日常を描いたものだが、前作もこんなに面白かったっけと思うほど面白い。何でこんなに面白いのかよく分からないが、主人公自身の心の声が面白くてしょうがない。多分読み手であるこちら側の変化の要素が強いのだろうが、何となく主人公が前向きというか明るさを増してきたとか、そんな変化もあるような気がする。だとすると次はもっと面白くなるはずと期待が高まる。それにしても本当に稀有な作家だと毎回思う。(「麦本三歩の好きなもの」 住野よる、幻冬社)
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オンライン講演 インフレーション後の再加熱

毎週参加している天文学の講演とは別の「宇宙論」の講義を視聴してみた。宇宙創生期に何が起きたのかをわかりやすく解説してくれるという内容だが、最近の研究成果が自分が昔読んだ本の記憶とは全く違うのでびっくりの連続だった。最近インフレーション理論というのをよく耳にするが、自分の思い描いていたのは、ビッグバンという宇宙の創生、物質の誕生があり、宇宙が膨張していくインフレーションが始まるというストーリーだったのだが、最先端の研究では物質が誕生した後、真空のエネルギーが支配していた世界が膨張、その希薄化された状況の中で再加熱という現象が起きて次のビッグバンにつながっていくということらしい。要するに、宇宙の誕生、インフレーション、再加熱、ビッグバンという順番が今のところ蓋然性の高い仮説なのだそうだ。途中で「ビッグバン」という言葉の定義が変わってしまっているようで素人にはわかりにくいし、後の方のビッグバンに違う名前をつければ良いのにと単純に思う。とりあえず今回の視聴で、後の方のビッグバンが起きるためには再加熱という現象が必要というところまではわかったが、問題はなぜその前にインフレーションという現象を考える必要があったのかであり、それは次回のテーマとのこと。宇宙の創生に関するインフレーション前の世界の話はその次。あと2回はどうしても視聴しなければと思った。
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