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自民党の統一教会汚染 追跡3000日 鈴木エイト

安倍元首相の暗殺事件をきっかけに浮かび上がってきた宗教集団と政治の関係について、10年近くこの問題を追いかけてきたジャーナリストが書いた一冊。著者のようなジャーナリストや多くの弁護士たちが、長年にわたって両者の関係の問題を指摘してきたにもかかわらず、問題の所在すら知らなかった自分の至らなさを痛感しながら読み進めた。本書で浮かび上がってくるのは、強い問題意識や危機感を持たず、選挙に勝つことを優先してこうした宗教集団を利用しようとしてしまう一部政治家の姿勢、自分たちの保身や利益のために政治家の権威や力を取り込もうとする団体の思惑、そして様々な困難や脅迫に立ち向かって問題を追い続ける著者の信念だ。宗教と政治というのは難しい問題だが、本書は、この事件の本質が信仰の自由のあり方などではなく、その宗教団体の違法性や反社会性にあるということを教えてくれる。(「自民党の統一教会汚染 追跡3000日」 鈴木エイト、小学館)
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