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世界最強の地政学 奥山真司
地政学研究者による一般向けの啓蒙書。地政学に関するキーワードの解説、地政学の観点から読み解く米中露の外交戦略、現在進行形のロシアウクライナ紛争、イスラエルのガザ地区攻撃の解説など盛りだくさんの内容だ。本書では、国土を海に囲まれた国(英米日)をシーパワー、隣国との国境が長い国(中露独)をランドパワーと定義づけ、前者が他国との衝突を回避するリベラリズム(協調モデル)、後者が隣国との衝突を前提としたリアリズム(衝突モデル)を志向すること、さらにランドパワーが面(領土の拡大)を重視するのに対して、シーパワーがルート、チョークポイントを重視することなどを分かりやすく解説してくれる。トピックとしては、温暖化で日本とヨーロッパを結ぶ「北極海航路」が注目されていてそれに伴って北海道の重要性が高まる可能性があること、南米大陸横断回廊の開通で世界の物流などが激変する可能性があるといった話が興味深かった。びっくりしたのは「宇宙にもチョークポイントがある」という記述で、宇宙ロケットの打ち上げには出来るだけ赤道に近い場所の方が自転の遠心力でエネルギーを節約できる(日本の種子島)とか、将来的に月と地球の重力の均衡点(ラグランジェポイント)の争奪戦が起きるかもしれないとのこと。色々なことを教えてくれる一冊だった。(「世界最強の地政学」 奥山真司、文春新書)
イギリス
シーパワー、協調的なのは平和志向とか民主的とかとは別問題、その方が国家永続という目標に適っているから。
ヨーロッパに大国を作らせないが国是、パックスブリタニカでなくなってもそれだけは死守
アメリカ
シーパワー、モンロー主義(南米に介入させない)、冷戦ではロシアの海路を断つ戦略(封じ込め政策)
中国
ランドパワー、現在は陸の脅威がない稀な状況、中華思想に囚われているのがネック
ロシア
ランドパワー、国境線に緩衝地帯がないと許せない、プーチンの失政で現在海への出口をどんどん失っている
イギリス
シーパワー、協調的なのは平和志向とか民主的とかとは別問題、その方が国家永続という目標に適っているから。
ヨーロッパに大国を作らせないが国是、パックスブリタニカでなくなってもそれだけは死守
アメリカ
シーパワー、モンロー主義(南米に介入させない)、冷戦ではロシアの海路を断つ戦略(封じ込め政策)
中国
ランドパワー、現在は陸の脅威がない稀な状況、中華思想に囚われているのがネック
ロシア
ランドパワー、国境線に緩衝地帯がないと許せない、プーチンの失政で現在海への出口をどんどん失っている
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