スーパーの衣料品コーナーで近所の中学校の制服が売り出された。春は近いようだ。
公園の横を歩いていると、高校生らしき女の子が追いぬいていく。スリップオン、超ミニスカートの制服、学校バックにはぬいぐるみ人形がジャラジャラぶら下がっている。髪はもう赤く染めている。この娘はさっきのスーパーのやぼったい制服から何年経ったのだろうか。
新聞紙上では、この娘たちの存在によって、一生を台無しにする男たちが何人もいる。もうりっぱな魔物だ。彼女らのほんの一握りは、いずれほんとうの魔女になるだろう。
しかし、私が行く高校のクラス会は、神通力の消えた魔法使いのおばあさんばかりだ。これに較べて、男たちは白髪頭か、禿ばかり、枯れた流木か盆栽のようだ。どちらにせよ、人間の寿命は短い。
魔物たちよ、スカート丈を少しだけ長くして、せいいっぱい生きてくれ。
今年の桜は何処に行こうか?