今回のコンケーンは、去年に続いて2回目だなので、友人の計らいで、去年の泊っているホテルから離れた、コンケーン大学のそばの庶民的なホテルをとってくれた。
ホテルまでの道のりで、タイの会社では大学卒の新入社員をとると、入社して少したってから、卒業証書をもらうための休暇を与えなければならないと友人から聞いた。その理由は、卒業証書の授与は、必ず王族が大学に来て、学生に卒業証書を手渡すのが慣例になっているからだそうだ。王室も忙しくて大変なことだ、と思った。そういえば、タイの幹線道路のあちこちには必ず王様の写真があるし、町中至る所に王様、王女様、王族の写真が映画の宣伝画のようにあふれている。むろん紙幣はみな王様の顔である。王室の権威は、その存在を、日々休むことなく、あらゆる場面で、国民にアピールしていかなければ、その権威を保つことができないということがよく解る。
日本の皇室も、そういう視点から見ると、いろんなことが見えてくる。かつて、大日本帝国では、戦争に勝つごとに、昭和天皇は白馬に跨り二重橋から姿を現したという。(日中戦争の南京陥落、太平洋戦争のシンガポール陥落等:『昭和史七つの謎』保坂正康 講談社文庫)また、各学校には、天皇・皇后の写真が奉安殿に安置された。時代は違うが、タイの王室とどこか似ているではないか。
いまの時代も、皇室が存在し続けるために、いろんな儀式や行動がとられている、・・・と思う。