ここ十数年間、9月は夏と勘定していた。下手すれば10月の半ばまで暑い日があった。そして秋がそれと気が付かないほど短かった。今年はどうも勝手が違った。あれよ、あれよ、のうちに9月が終わった。最近の異常気候や地震、豪雨、そして噴火に対して、環境を悪化させたのは人間の横暴さが理由だという声が全くない。今まで異常気象の原因はすべて二酸化炭素、地球温暖化に結び付けて、地球をいじめる工業化を批判してきた人たちはどこに行ったのだろう。地球の自然の力の領域になると、何も言わない。きっとどこかに環境問題としない限界線があるのだろう。
とかく日本人は熱しやすくて冷めやすい。昨日まで旧悪の自民党を突き飛ばし、民主党へ流れた人たちは、反動の振り子のように右に大きく戻った。そうすると、かつて嘘つき公約の民主党には目もくれず、ただ小気味が良い言葉と速い行動だけで、底に有るのは時代錯誤の権力者感覚に浸ったタレント市長を裸の王様に祀り上げる。昔の戦争も軍部ばかりに責任があるのではなく、大東亜共栄圏をもてはやし、歓呼して八紘一宇を叫んだ人たちも大勢いたのが日本人である。
ワールド・カップでごみ掃除する日本人もいるが、福島で出た放射線ごみを押し付け合いする日本人もいる。日本の街はきれいだ。分別も行き届いているが、厳しすぎて不法投棄も後を絶たない。日本人の固有な潔癖感で清潔徹底の環境行政がひょっとして行き過ぎていないかを反省するいい機会でもある。
今年の秋はいつもと違って少し長いかも知れない。