先週、中学のクラス会に行った。八十有余歳、矍鑠とした担任のA先生も出席された。かつて教壇で黒板に「修身斉家治国平天下」と白墨できれいに書かれたのを今でも思い出す。彼は、また、数か月かけて憲法前文をクラス全員に暗記させた。振り返ると、憲法前文はアメリカ型民主主義の缶詰のようなものだった。戦後教育の中で、今思うと学習指導要領を超えていて、彼は結構大胆なことをしたように思える。当時は随分年上だと思ったが、私たちの担任の時は三十歳前半であった。彼の若さの故の勇気だったと思う。しかし、どちらを教えるのが、彼にとっての本意だったのか、未だに判然としない。
最後に駅で別れたとき、握手して別れたが、次のクラス会は2020年としたので、お互い会えるかどうか、これも判然としない。
先月に行った証城寺(しょじょじ)のある街にて