玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

憂鬱な祭り

2014-12-12 10:24:50 | 愚痴

いつも選挙の時になると、日本には政党がないと思う。あれだけ多くの党があって、その意見なり主張が新聞に載っていても、今この国の先行きに苦言を呈する政党がないというのは実に情けないことだ。当座の選挙に勝つために国民に心地よいことを言わざるを得ないのは判るが、今の状態はそういう安閑とした事態ではなかろう。東北被災地に行って思ったことは、百年経っても元には戻らないだろう、ということが解った。それは地方の過疎地にも共通している。そこには人もいない、物もない、何より就業の場もない。ただ老人ばかりが残る。その時住民に向かって救済を並べる政治家たちは、どこからその資金を持ってくるつもりなのか。それは簡単に言えば、地方から都市への富の収奪に他ならない。それを長年にわたって続けてきた政党が自民党である。選挙のための地方優遇は政友会以来の党是でもある。財閥頼みは、政友会・民政党以来の旧弊でもある。

結局、安倍政権は株価を釣り上げ、円安にして為替利益を企業に付与し、法人税を下げて企業優遇し、それらの効果が出たら、財界にお願いして、勤め人の給料を挙げようとしている。その間国民の長年の貯蓄を担保に、日銀から空銭を発行して国の借金を一時的に隠蔽している。その程度の安っぽい了見しか持たない党でもある。お祭りで、安物、偽物、紛い物を並べる香具師の濁声の中で、買う物がないのに買わなきゃならない子供の境地に似ている。それが憂鬱な選挙という祭りの姿である。

コメント
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